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第十三章・
「かなり良くなったんだ。昨日まで寝室に籠っていたが、今日はこうやって椅子に腰かけてる。おかげでルドーニが来ることが解かって、良かったな」
言いたいことは、山ほどあった。
食事は? 水は? 薬は、風呂は、寝具は被服は?
だが、それはぐっと我慢した。
具合の良くない人間に、根掘り葉掘り訊くようなことじゃない。
それに、そんなに心配だったら、なぜ今の今まで放っておいた?
多少煙たがられようと、傍に居てやるべきじゃなかったか?
「どうした? ルドーニ」
お茶を淹れよう、と立ち上がるヴァフィラを慌てて止めた。
「俺が用意するよ。ごめんな、ヴァフィラ。どうしてもっと早く、お前の事を診に来なかったんだろう」
早口でそう言った。
少し、やつれて見えるヴァフィラ。
神殿の人間が世話を見てる、とは知っていたが、こいつをこんな風にしちまったのは、俺の責任だ。
全くもって、恋人失格だ!
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