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第十三章・15
以前、ハママツ公国から戻った当時の大魔闘士・イジェス様が、おみやげにニコルス先生へ買って来てくれた事。
私にもいただけると思っていたが、先生は「これは大人のお菓子だから」と、食べさせてくれなかった事。
ただ、イジェス様とニコルス先生はとても楽しそうに、美味しそうにこの菓子を食べていたので、見ているだけで嬉しかった事。
「私はもう子どもじゃない。とうとう食べられるんだ、うなぎパイ!」
目をキラキラさせて一気に喋り終えたヴァフィラには、妙な色欲は見られない。
本当に、素直に食べたいと思っているのだ。
変な予備知識なしに。
意外なヴァフィラのリアクションに、ルドーニは安心した。
それと同時に、これは巧い事いきそうだと頷いた。
少し痩せたヴァフィラは、きっと食欲も無いに違いない。
あまり食事も摂っていないに違いないのだ。
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