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第十四章・4
「俺が講師に?」
「保健体育の先生が、病気で寝込んじゃったらしいんだ」
ルドーニは、ナッカに代理の講師役を頼まれていた。
しかしながらルドーニは、今もなお語り草となるサボリ魔だ。
保健体育の講義など、受けたことが数回あるかどうか。
「ンな、もっと適役がいるだろ。ディフェルとか」
「マジメなディフェルに、性教育なんてさせられないっての」
「俺ならいいのかよ」
「適任じゃん。性教育の」
ルドーニが振り上げた拳から頭を庇うように腕を上げ、ナッカは教科書をすばやく差し出していた。
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