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第十四章・8

 子どもたちを放って、先生は先生で頭をフル移転させていた。 「どうりで……」  どうりで、とルドーニはヴァフィラとの情事を思い出していた。  彼とのキス。唾液をおもいきり吸う行為だ。  彼への口淫。精液をおもいきり飲み下す行為だ。  その他にも、零した涙にキスするし、流れた汗を舐めとってやる。 『毒を使役する大魔闘士は、その身体を流れる血液ですら猛毒』  この言葉、忘れたことは無い。  血液でなければ大丈夫かと、たかをくくっていたのだ。  どうりでオーラルセックスの最中に、ひどく酔ったみたいになるわけだ……。  知らず知らずのうちに、毒が身体を蝕んでいたのだ。 「悪い。本日はこれにて自習!」 「先生!?」  ルドーニは、そのままヴァフィラのもとへと駆けだしていた。  後に残されたナッカは。 「え~っと。やっぱ、俺?」  生徒たちは皆、期待のまなざしを、というより縋るような眼を向けている。 「しかたないなぁ。では、続きを読みたい人は手を上げて」  結局、ナッカ先生の元、授業は進んで行った。

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