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第十四章・9

「ヴァフィラ!」  血相を変えて家屋へ走り込んできたルドーニに、ヴァフィラは驚いた。 「どうした? 何か急用でも……」  おっとりとしたヴァフィラの手首を掴んだルドーニは、そのままぐいぐいと寝室の方へと引きずり出した。 「寝るぞ! 今すぐ!」 「な……ッ! 馬鹿を言うな。まだ昼日中だぞ」 「そりゃあ好都合。次の朝までたっぷり頑張れる」 「本気かお前!? 大体今の時刻は、子どもたちに授業をしているはずじゃないのか?」 「どうしてそれを!?」 「ナッカに聞いた」

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