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第十四章・29
そんな事より、と襟を正すヴァフィラだ。
「どちらが講師として教壇に立つか、だ。だが、到底お前には任せられないな。やはり教育に悪い」
拗ねた顔をしていたルドーニだが、結局は彼が講師として生徒を教える事となった。
ただし、ヴァフィラの監視付きだ。
(これなら、また驚くような文章が教科書から飛び出してきても、二人で対処できるからな)
どちらかが斜め上の解釈をして、騒ぎになることはないだろう。
「では、行きますか。ヴァフィラ先生」
「お手並み拝見するよ。ルドーニ先生」
始業の鐘まで、まだ間がある。
散歩がてらにゆったりと、二人は歩き始めた。
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