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第十五章・20
終始無言でルドーニの説明を聞いていた法皇・イジェスは、話しが終わったところで大きく息を付いた。
「つまりヴァフィラは、お前のことも何もかも思い出した、という事だな?」
「自分が大魔闘士であることはもちろん、全てを思い出しました」
「本当によかった」
すぐにでも面会しよう、と微笑むイジェスに、ルドーニは一つだけ解からなかったことを訪ねた。
「でもお師匠。なぜヴァフィラの元に俺を?」
「それはまぁ、自分の胸に聞けば解かるだろう。愛の勝利、と言えばもっと解かりやすいか?」
「……」
もしかしてお師匠には、俺とヴァフィラの仲は全て筒抜けなのかもしれない!
(と、すると。ぼかして語らなかった『媚薬でエッチ作戦』もお見通しとか……?)
赤くなり、法皇の執務室を退出したルドーニだった。
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