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第十六章・3
月がなく暗い、と思っていたが降るような星々が瞬いている。
瞼を閉じてもその裏に、星の光が残るほどに輝いている。
「あの星の光は、何万年も前に輝いたものがようやくこの地球に届いたもんなんだとさ」
「へぇ」
遠い遙かな神話の時代に輝いた星の光が、今こうして二人の眼に映る。
悠久の時の流れ。
その中で、同じ時代に生まれ共に歩むことのできる幸運に、ヴァフィラは深い感謝の念を抱いた。
ルドーニの隣にそっと横たわり、身をよせた。
頬を撫でる風が冷たい。
ようやく汗のひいた額に、ルドーニが口づけてきた。
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