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第十六章・6
「あ、あぁ、あぁあ……」
しっかりと埋め込まれたルドーニが、体の奥で脈打つ。
しばらくそうして抱き合った後、ルドーニが動き始めた。
「んあッ! あッ、あッ、あぁッ!」
律動とともに吐かれる自分の声が、静かなバラ園に響く。
冷たい夜風が、熱をもつ。
擦れた芝の青い匂い。
甘い甘いバラの香り。
注がれるような星々の光。
その中で、愛し合った。
遙かな時の流れの中に身をゆだね、刹那の出会いを歓び合った。
あぁ、気が遠くなる。
バラに囲まれ、星に抱かれ、震えるような悦びが身を襲う。
「あぁあ! あぁ、んあッ! あぁああ!」
ルドーニの熱を体内に受け止めながら見たものは、一斉に流れる星の群れ。
渦巻くバラの花びら。
それらがまるでルドーニと共に体の中へ入ってくるような、異様な感覚。
「あ……」
そのまま、ヴァフィラは意識を手放した。
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