398 / 459

第十六章・8

「なぁ……もう一回、どう? たまにはこういうシチュエーションもイイだろ?」 「ふざけるな!」  腕を払い、ヴァフィラはがばりと身を起こした。  一体どうしたというのだ、ルドーニ。  今夜のお前は、何だか変だぞ!? 「悪ぃ悪ぃ。怒んなよ」  ぷいとそっぽを向くと、懲りもせず肩に腕がまわされてきた。  おかしい。  やけにべたべたと馴れ馴れしい、この態度。 「少し冷えてきたな。カプチーノ、淹れてやっから戻ろうぜ」 「カプチーノ? 何だそれは」  ここでようやく、ルドーニが向き合ってきた。 「何だ、ってお前。大好きじゃんよ。そこまでつっけんどんにすんなよな」

ともだちにシェアしよう!