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第十六章・8
「なぁ……もう一回、どう? たまにはこういうシチュエーションもイイだろ?」
「ふざけるな!」
腕を払い、ヴァフィラはがばりと身を起こした。
一体どうしたというのだ、ルドーニ。
今夜のお前は、何だか変だぞ!?
「悪ぃ悪ぃ。怒んなよ」
ぷいとそっぽを向くと、懲りもせず肩に腕がまわされてきた。
おかしい。
やけにべたべたと馴れ馴れしい、この態度。
「少し冷えてきたな。カプチーノ、淹れてやっから戻ろうぜ」
「カプチーノ? 何だそれは」
ここでようやく、ルドーニが向き合ってきた。
「何だ、ってお前。大好きじゃんよ。そこまでつっけんどんにすんなよな」
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