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第十六章・10

 額に、柔らかな感触が。薄く瞼を開くと、頬に大きな掌が当てられてきた。 「大丈夫か?」 「ん……」  掌に頬ずりし、口づけた。  ヴァフィラの甘い仕草に、ルドーニは嬉しくなった。  屋外で愛し合うなど初めてだ。  彼は怒ってやしないだろうかと心配だったが、大丈夫なようだ。 「ごめんな、外でなんて。でも、どうしても我慢できなくてさ」 「ううん、すごく悦かった」  おぉう、とルドーニは心の中で雄叫びをあげていた。 『すごく悦かった』なんて!   こんな言葉をヴァフィラの口から聞く日が来ようとは! 「たまには、こういうのもイイってこと?」 「ぅん……」  恥じらいながら、掌をもじもじといじってくるヴァフィラがたまらなく可愛い。

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