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第十六章・11

 そっと口づけると、激しく応じてきた。  唇を食み、時折ルドーニの舌を唇で吸ってくるヴァフィラ。  こんなに熱いキスは初めてだ。  というか、こんなテクニックを、どこで身につけたのか。  ようやく唇を離すと、ヴァフィラは甘えた声をかけてきた。 「ね。もう一回、しようか?」  うおぉお、とルドーニは再度心の内で吠えた。 「ヴァフィラ!」  愛しい人を抱きしめようとするルドーニの頬に、突然平手が張られた。 「ヴァフィラ、って誰!?」 「え? え?」 「どこで誰と付き合おうと勝手だけど、こんな時に間違えるなんてひどい!」

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