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第十六章・13
ふわふわに泡立った熱いカプチーノを一口すすり、ヴァフィラは眼の前のこの男が言うとおり自分は本当に異世界に来てしまったのだと感じた。
カプチーノマシンなど、見たこともない。
飲んだことのない、ほろ苦いコーヒーの味は千の言葉を並べられるより身にしみた。
「おいしい?」
「ん」
にこ、と笑う男・アドリアノ。
見れば見るほどルドーニにそっくりだ。
自分が遥か未来への訪問者になったという心細さは、アドリアノの存在によって和らげられた。
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