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第十六章・14
「しかし、お前はどうして私が過去の大魔闘士だということが解かったのだ?」
「そりゃあ、お勉強したからな。ほかの魔闘士はさておいても、闇と毒の歴史だけは頭に叩き込んでる」
闇はともかく、なぜ毒まで、と問いかけようとしてやめた。
先程の、アドリアノの言葉。
『俺の腕の中でさっきまで、あんあん言ってたアプロスはどこに行きやがった!?』
この時代の毒の魔闘士も、闇の魔闘士と恋仲なのか。
愛しい人の背景ならば、何でも知っておきたいと思うのは当然のなりゆきだろう。
そこで、は、と顔色が変わった。
一体いつから私は、そのアプロスと入れ替わっていたのだろう。
まさか、内に挿れられているその時に!?
「私は、なんという不貞を……」
「あん?」
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