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第十六章・15
目覚めた時、すでにアドリアノの腕の中にいたのだ。
内に放たれたその時に、意識を失った。
この体内に残っているのは、ルドーニではなくアドリアノのものかもしれないのだ。
「浴室を……借りたい……」
「ここは毒の神殿だ。あんたの好きなように使っていいんだぜ」
どことなくふらつきながら浴室へ消えたヴァフィラを見送り、アドリアノはカプチーノを飲みながら忙しく頭を働かせていた。
ヴァフィラの話と自分の行動を照らし合わせると、どうやら同じようにバラ園でエッチしている時に入れ替わってしまったらしい。
となると、アプロスは今頃200年以上も前の闇の魔闘士・ルドーニの元にいるということだ。
可哀想に、あいつのことだからおろおろしているに違いない。
これは早いとこ手を打たなきゃな、とアドリアノは一息で残りのカプチーノを飲み干した。
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