409 / 459
第十六章・19
「なぜお前がベッドにいるのだ」
風呂上りのヴァフィラは、寝室に入るなりアドリアノに言い放った。
「え? 一緒に寝ちゃダメ?」
「当たり前だ! いくらルドーニにそっくりとはいえ、私とお前との間には何もないのだからな!」
そんな堅いこと言わずに、とアドリアノはヴァフィラの洗い髪をすくうと口づけた。
「ルドーニと俺、どっちがイイか比べてみない?」
「ふざけるな!」
「ぎゃッ!」
ベッドから思いきり蹴り落とされたアドリアノは、腰をさすりながら退散した。
「冗談だよ、もう」
しかし、からかいがいがある、と長椅子に横たわりながらアドリアノはニヤついた。
これは先代・闇の魔闘士も、毎日楽しい生活を送っているに違いない。
ともだちにシェアしよう!