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第十六章・19

「なぜお前がベッドにいるのだ」  風呂上りのヴァフィラは、寝室に入るなりアドリアノに言い放った。 「え? 一緒に寝ちゃダメ?」 「当たり前だ! いくらルドーニにそっくりとはいえ、私とお前との間には何もないのだからな!」  そんな堅いこと言わずに、とアドリアノはヴァフィラの洗い髪をすくうと口づけた。 「ルドーニと俺、どっちがイイか比べてみない?」 「ふざけるな!」 「ぎゃッ!」  ベッドから思いきり蹴り落とされたアドリアノは、腰をさすりながら退散した。 「冗談だよ、もう」  しかし、からかいがいがある、と長椅子に横たわりながらアドリアノはニヤついた。  これは先代・闇の魔闘士も、毎日楽しい生活を送っているに違いない。

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