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第十六章・21

 翌日、過去と未来の4人の願いもむなしく、目覚めても何ら状況に変わりはなかった。  アドリアノが用意した朝食にヴァフィラはもそもそと口を動かし、ルドーニが用意した朝食に、アプロスは舌鼓を打った。  朝食が終わり、紅茶のおかわりを楽しむアプロスにルドーニは切り出した。 「今から、アドリアノに会ってくる」 「そんなこと、できるの!?」 「闇の回廊をくぐって、冥界へ行く。そこから、時空を超えてみる」  200年以上、時を駆けることになるのだ。  さすがに生身のまま行うと、肉体が200年もの時を経てぼろぼろになってしまう。  魂だけなら無傷で時を超えることができる、とルドーニは説明した。

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