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第十六章・22
「僕も行きたい! 連れてって!」
「それは危険だ」
方法は知っているが、実際行うことなどそうそうない。
しかも、200年以上も駆け抜けるのだ。
闇の魔闘士以外の人間が一緒となると、どんな弊害があるやもしれない。
ぷう、と頬を膨らませるアプロスを一瞬かわいいと思ってしまったルドーニは、邪念を振り払うように神妙な声を出した。
「それにアプロスには、ここに残していく俺の体の見張りを頼みたいんだ。魂の抜けた体は、死体同然だからな」
「そうか。うん、僕がんばって見張ってるから、安心してアドリアノに会ってきて」
「いい子だ」
思わず、髪をなでた。
高潔なヴァフィラとはまた別の愛らしさを、この未来の魔闘士は持っている。
しかしながら、顔はそっくり、目尻のホクロまで一緒とは、神は一体どこまで俺を愚弄するのか。
(まずい!)
自分がアプロスに惹かれるということは、アドリアノも同じようにヴァフィラに惹かれているのではないか!?
取り返しのつかないことになる前に、ルドーニは 計画を実行に移した。
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