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第十六章・26

 殴り合い、蹴り合い、締め上げあう二人を、時折通りがかる時間旅行者が不思議そうに眺めていく。  巻き込まれては大変なので、誰も止めようとはしない。  しかし、その中でもよほど暇なのか、それとも豪胆なのか、一人の男が間に入ってきた。 「アンタたち、いいかげんにおやめ! こんなとこで喧嘩なんて、人様に迷惑だと思わないの!?」  はぁはぁと息を荒げて睨みあう二人を見比べ、男は驚いた声を上げた。 「まぁあ、そっくりさんのイイ男が二人も♪ どう? アタシと付き合ってみる気はない?」  男の物言いにギョッとしたルドーニとアドリアノは、しげしげとその姿を眺めやった。  身をくねらせ、女性のような言葉を使うこの男、なんということだ。  100年前の闇の魔闘士・ストルカと名乗ってきた。 「歴代に闇の魔闘士って、何人いやがるんだ……」 「細かいことは、気にしないほうがいいわよォ」

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