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第十六章・37
ルドーニ、と頭の中で絶叫していた。
ルドーニ。
彼以外の人間に抱かれるなど、嫌だ。
彼を裏切る事など、できない。
ルドーニの笑顔が、脳裏をよぎる。
あの声が、耳に甦ってくる。
あの手のぬくもりが、頭から決して離れない。
圧し掛かってくるアドリアノを必死で押し返しながら見たものは、一斉に流れる星の群れ。
渦巻くバラの花びら。
それらがまるでルドーニの姿を形どるような、異様な感覚。
「あ……」
そのまま、ヴァフィラは意識を手放した。
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