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第十六章・40
寝室に戻ると、あの時のまま窓が半分開かれていた。
ふわり、とカーテンがなびき、心地よい風を受けながらヴァフィラはルドーニに口づけた。
自らルドーニの唇を割り、舌を絡ませ躍らせる。
「どうしたの? 何だか積極的」
おどけた声で、ルドーニがキスの合間にくすくすと笑う。
「会いたかった。寂しかったのだぞ?」
「俺のそっくりさんがいたのに?」
「そっくりではあるが、あれはお前ではない」
それもそうだ、とルドーニは優しくヴァフィラをベッドに横たえた。
額に、頬に、顎にキスを落とす。
首筋に、肩に、胸に赤い跡を残す。
体中にキスの雨を降らせ、ルドーニはヴァフィラを確かめた。
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