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第十七章・8
ふと唇を離して、ルドーニは囁いた。
「今夜は、どうして欲しい?」
「どう、って?」
今夜の俺は、ヴァフィラへのプレゼント、とルドーニは続けた。
「お好きなように、ふるまうからさ」
「そうだな……」
優しくしてくれ、と言おうか。
浴室で考えたように。
しかし、ルドーニはいつも優しくしてくれる。
激しくしてくれ、と言おうか。
しかし、それを口にするのは恥ずかしい。
「時間切れ」
「あ……」
ルドーニが、覆いかぶさって来た。
されるがままに、ベッドに横たわるヴァフィラは、未知の行く先に身を震わせた。
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