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白き灰がちになりてわろし 3

 バスを降りてもなおぐずぐず言うカミヒにハンバーガー食わせて、ゲームセンターに連れてって、機嫌を取った。  思ったより時間がかかって暗くなってから寮に帰りついたら、サッキ―が待ち構えていた。  サッキ―は今日のハルボンの外出にいち早く気がついた同級生。 「ハルボン、デートだった?」 「そう」 「相手は? 殿女の子?」  殿女っていうのは近所の女子高で、割とウチの学校の奴とくっつく子が多い。  ついこの間も、ハルボンに告ったツワモノ女子がいた。  割と人気がある子だったとかで、その後の経緯を気にしている奴はそこら中にいる。  サッキ―もその一人。  でもサッキ―の場合は、自分の恋愛どうこうじゃなくてヒトのコイバナが楽しいから、らしいけど。 「ハルボンの大事な人」  ワクワクした顔のサッキ―に、ぶっすくれたカミヒが答える。  ああもう、やっと機嫌上向きにしたのにさあ。 「大事な人って、全て捧げたい例の人?! どんな人?」 「普通の人」 「細くて小柄なお兄さん」 「優しくてかわいくてちょっと面倒で強がりな人」    俺たちが答えるのと同時に、ブンって重たそうなエコバッグが振り下ろされて、ハルボンの声。 「ふたりとも、それ以上言わないでね」  笑ってるけど目の奥が笑ってない表情で、ハルボンが言う。  はいはい、あの人の情報は出すなってことね。  どんだけ大事なんだって思った。 「あれ、思ったより早いね」 「ちょっと、体調悪そうだったから切り上げた。オレ、寮監室に行ってくる」  誰っていう部分が抜けてるけど、多分あの人のことだろうって思ったのでスルー。  ハルボンは寮監にエコバッグを届けに行くらしい。 「帰りました報告なら、おれたちの分もしといてよ」  カミヒが引き留めるように声をかける。 「わかった」  わかってないハルボンはひらひらと手を振ってそのまま歩いて行く。  カミヒがちぇって顔をした。 

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