26 / 75

同居人の誕生日は今日だけど、俺は何も用意してない(15)

今すぐ何かが起こるわけではないだろう。準備がかなり必要とも言うし。けれど、いずれ相手と『そういうこと』をしたいんだという意思表示と相互確認は、やっておくに越したことはない。 賢太郎はその意思表示のつもりで言っているのだろう、と健は受け取った。 「それって、今日だけで良いのか?」 「そんなわけないだろ。夏は暑いから無理にとは言わないけど、できれば毎日が良い」 「分かってるよ。……じゃあ、今日から一緒に寝よ?」 「うん。……あともう一個、したいことがあるんだ。今すぐじゃなくて良いんだけど」 「え、何? 遠慮しなくていいから言いなよ」 駄目なときは断るから、と健は付け加えた。拒否されると傷付くだろ、と赤い顔の賢太郎が投げやりに言う。そういうことを言われると、余計に断りにくくなるというのに。……もっと直接的な話に移るのだろうか。健は心の準備をする。 「お前と一緒に風呂に入りたいんだよ」 賢太郎は真っ赤な顔で、絞り出すように答えた。案外可愛らしい答えだったので、健は拍子抜けした。とはいえ、下心が見え見えのお願いではあるのだけれど、その点も含めていじらしい。 その気持ちに応えてあげたいのはやまやまなのだが、自宅の風呂のスペースを考えると、簡単に叶えてあげられる願いではない。洗い場も浴槽も一人で使うのがやっとの広さなのに、二人で入るなんて身動きが取れなくなってしまう。

ともだちにシェアしよう!

この小説を読んだ人におすすめの作品

タチ同士・売り専同士・親友同士──だけど、お前のことが好きなんだ。
292リアクション
26話 / 79,989文字 / 47
1/23 更新
幼馴染の会社員×会社員。年上受けの年下攻め
141リアクション
13話 / 75,845文字 / 20
1/15 更新
終わったはずの初恋が、夏の匂いと共に蘇る。
76リアクション
5話 / 32,748文字 / 20
1/20 更新
殺し屋の男と男娼の少年の逃避行。
25リアクション
24話 / 47,093文字 / 0
2/26 更新
無気力で無愛想な高校三年生×同僚に片想い中の癒やし系国語教師
33話 / 49,389文字 / 0
3/31 更新
それは、普通の男子高校生の恋の話し。
2リアクション
18話 / 38,491文字 / 0
3/30 更新