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同居人のお姉さんが、俺にもちょっかいを出してくる(3)

「そういう賢太郎はどうなのよ! 高校生の時、同級生の女の子と付き合って一か月で別れたくせに! 見る目が無いなんて言える立場じゃないでしょう?!」 「今その話は関係ないだろ! それに、今のオレは十分見る目があるんだ。姉さんと一緒にしないでくれ」 「ふーん、つまり今は付き合ってる子がいるってことよね?」 賢太郎は何も答えなかった。健から彼の顔は見えないが、青ざめた顔をしているのだろう。これはもう誤魔化せない。知恵美は満面の笑みを浮かべていた。弟の弱みを握ったことを直感したのだろう。形勢逆転と言うべきか。 健はキッチンへ退避する。賢太郎が以前誰かと付き合っていたという事実に、盛山は微かに苛立っていた。けれどそれ以上に、賢太郎が綺麗に墓穴を掘ったので、笑い出しそうな自分もいる。今、自分は絶対に変な顔をしていると自覚していた。 「賢太郎も隅に置けないな~。ねえ、いつから付き合ってるの? どんな子? 可愛い? どんなところが好きなの?」 「…………黙秘。今その話は関係ない」 「関係あるもーん。話してくれないなら盛山君に聞くから良いわ! ねえ、賢太郎が付き合ってる子ってどんな子?」 「待ってくれ姉さん。分かった。話すから」 賢太郎は白旗を掲げる。自分が同席したのは間違いだったと健は痛感した。知恵美は、健を人質に取る言動が弟に効果覿面だと理解してしまっている。健が弟の弱点であることを見抜いているのだろう。 「何から話してもらおうかな。出会ったきっかけは?」 「……学園祭の実行委員」 「へえ、同じ大学の子なんだ。告白したのはどっちから?」 「……お、オレじゃない」 「ふーん。フリーのときに告白されたからOKしたの?」 「違う、オレも好きだったから」 「あら可愛い~。両想いか~」

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