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同居人のお姉さんが、俺にもちょっかいを出してくる(7)

賢太郎は一息ついたところで、まだ愚痴を言い足りないけれど本題ではないから、と話を収束させようとしている。恋バナがシームレスに家庭の話に繋がったので、そのまま有耶無耶にしたいという恋人の思惑を健は感じ取った。偶然だろうが上手くいったもんだと感心する。少し残念だが。 「学費は奨学金とバイト代でなんとかなりそうだし、今住んでるところの生活費も、健に世話になってるけど折半はしてる。今、実家に世話になってるものは無いだろ。オレは実家には絶対に帰らない。姉さんが居たとしても、一時的だとしても」 「……賢太郎の話聞くと、あたしが思ってたより相当ヤバかったみたいだね。ごめんね、沢山無神経なこと言ったかも」 「姉さんは元々無神経だろ、何を今更」 「何ですって!」 またテーブルがミシミシと悲鳴を上げる。その様子を見て、そういうところだよと賢太郎がチクリと刺した。そのテーブルは人様の家のものだと言外に示したのだが、そうする前に気付いてほしいものだ。知恵美はとっさに謝ってくれたので、健も気にしないでほしいと返した。 「あたしも喋ってたら賢太郎と同じ気持ちになってきたわ。あーあ、あたしも賢太郎みたいに友達の家にお邪魔しようかなあ」 もちろん物件は探すけど、と知恵美は携帯をいじった。今夜は空いているビジネスホテルに泊まるという。  「良かったよ、ここに泊まるとか言い出さないで」 「流石に盛山君の家だしね。ところでさ、何処まで進んだの、恋人さんと」 「……今その話は」 「関係あるんだよね、これが。賢太郎、あたしのこと煙に巻こうとしたでしょ。気付いてないとでも思った?」

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