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恋人のことを深く知りたい(6)
健は服を脱ぎ捨てると、所在なさげに視線をうろつかせ、足早に浴室に入る。追って後ろから抱きしめると、あの夜と違って、健は温かかった。流れ出るお湯を二人の肌が分け合う。
「一緒に入るって言ったのに、酷いな」
「恥ずかしいんだよ。どこ見て良いんだか分からないし、見られるのも変な感じがする」
「裸見るのも見られるのも、二回目だろ」
「そうだけど、あの時は怖くてそれどころじゃなかったから。記憶が無いの」
「……お前、修学旅行の大浴場とかどうしてたんだ」
「何とも思ったことない。まじまじ見ることもないし、好きな奴がいるわけでもなかったんだから」
シャワーヘッドを握り締めながら文句を付ける恋人を黙らせるため、賢太郎は健の耳を舐め上げた。予想通り掠れた甘い声がして、抵抗が止む。舌で耳を愛撫しながら健を壁に押し付けて、握りしめていたものを取り上げ、シャワーフックに立てかけた。
「んっ……ああっ」
「あのな、いい加減諦めてくれ。最初は恥ずかしいかもしれないけど、これから先、何回でも見ることになるんだぞ」
「そ、そうだけどさ……んっ」
大人しくなった健を正面から抱え直して、キスで唇を塞ぎながら尻に手を伸ばす。初めて触ったそこは、思ったよりも肉付きが良くてハリがあった。……あれだけ賢太郎の料理を食べているのだから当然だ。オレが育てたようなものだと誇りに思いながら、賢太郎は遠慮なく両手で尻を揉みしだく。
塞いだ口から抗議の唸りが響いていたことに気付いたのは、健から背中をばしばしと叩かれてからだった。
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