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◎オレは恋人と先へ進みたい(8)
「賢太郎、頭撫でてよ……!」
「はいはい」
心なしか窮屈さがなくなって、指にかかる力が緩んだような気がする。気を紛らわせてやれば、健の苦痛が取れるかもしれない。
一頻り頭を撫でた後、健の胸に手を伸ばす。場所は直接見えないが、大体この辺りだろうと見当を付けて触れると、健の高い声と共に穴が広がっていく。これなら、自分を受け入れられるかもしれない。
入れてみたい、一つになりたいという欲求が、胸の内で膨らんでくるのを感じた。
指を引き抜いて、避妊具を取り出す。気が急いてスムーズに取り付けられない。何とか装着すると、健の腰を掴んで、先程まで広げていた箇所に先を宛がう。
「今から入れる。無理って言われても止められないかもしれない」
「……うん、大丈夫。ありがとう」
健が大きく深呼吸するのに合わせて、腰を進めてゆっくり埋め込んでいく。
暖かい粘膜が雄を締めつけてくる。快感に襲われながらも、健の苦しそうな声を聞き逃すまいと意識を研ぎ澄ませた。
「今、一番太いところ、入ったから。辛いところは過ぎたぞ」
「うあっ……う、うん」
突き上げたい。めちゃくちゃにしてやりたい。
大切にしたい。泣かせたくない。
ギリギリのところで思考を保ちながら、健の中に竿を完全に埋めきった。
「入った、全部」
「ほ、本当? 良かった……」
安堵感が理性を消し飛ばして、思考が本能に染められていく。
健の腰を強く掴んで前後に揺さぶろうとした瞬間、健の腕が身体を支えきれずに崩れた。よく見ると膝も笑っていて、賢太郎が支えていなかったらベッドに諸共崩れ落ちていたかもしれない。
「健?!」
「あ、安心したら力が抜けた。膝も、限界……」
どうしよう、と情け無い声を上げる健に呆れながらも、自身を引き抜く。健を仰向けに寝転がした後、枕を引っ掴んで腰の下に敷き、高さを出して挿入しやすくする。健の足の間に割り込み、太腿を掴んでもう一度自身を埋め込んだ。本当に力が入らないのか、先程よりも抵抗を感じることは無かった。
「ううう……!」
「ふう。驚いた、本当に」
「ごめん。折角全部入ったのに、気が抜けちゃった」
「何言ってんだ。ここまで頑張ってくれたんだから上出来だろ」
「……じゃあ、ご褒美にキスしてほしいな」
柔らかい笑顔の健と、唇を合わせた。舌を抜き差ししながら腰を引いていき、一気に押し込む。尻を掴んで揺さぶると、口内に声が反響した。
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