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第11話 過ちを犯したもの

気が付いたら、私は全裸でグランドピアノの下で横になっていた。 「っ……」 尻の穴が痛いけれど、このまま醜態を晒しておきたくなかったので、起き上がった。 セドは私の部屋に見えない。 このまま家に戻ったのだろうか、そう考えながらピアノに頭をぶつけないように、立ち上がった。 「……」 セドは私の右肩の火傷の跡を知っていた。 こんなケロイドになっている身体は見せるつもりはなかった。 既に時が経っている今、この跡が痛み出すことはないだろう。 「アル、具合は大丈夫ですか?」 風呂場から顔を出したセドリックは私の側にやって来た。 「すみません、アル。抑えがきかなくて」 風呂場で濡らしたタオルで私の身体を拭こうと彼は手を伸ばしたけれど、そんな雰囲気にはなれなかった私は、そのタオルを拒んだ。 「セド、帰りなさい」 「……いやだ」 彼は頑なに拒んだ。 「君は私にこんなことをして良いと思っているのか」 するとセドは私の身体を抱き締めてきた。 「ごめんなさい。……すみません」 「君は夕食を食べて、後片付けをしなさい。私は風呂に入ってから礼拝堂で懺悔をする」 私は毛布を腰に巻いて、ふらつく足取りで風呂場に向かった。 過ぎてしまったことは仕方がない、これからはどうするかが問題なのだ。 「神よ。……許してくれますか?」 私は風呂場で水を被り、神に祈りをささげた。

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