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第12話 妖精?
その日眠りについたのは明け方近くだった。
教会の朝は早く、毎日午前五時に起床しているので、今日の睡眠時間は二時間しか取れないと目を擦りながら自室のベッドにいくと、セドが眠っていた。
一緒のベッドにつきたくなくて、私はピアノの下で毛布に丸くなって眠った。
……ここで私は彼に犯されてしまった。
彼は私を愛している、そう言っていたが私は神を愛している。
けれど彼は私の特別な人だという認識はあった。
それは私のピアノが好きだと言ってくれたから。
彼は私のピアノが好きだから、演奏家になろうとしていた。
ピアノを弾く私に好意を持っていた、だからピアノ事態がが好きだということではないだろう。
けれど私はピアノと神を愛しているが、私は彼を愛することはない。
『難しいこと人間は考えてて、馬鹿みたい』
何処からか声が聞こえてきた。
目を開けて、声のするほうに視線を向けた。
私の横に、キラキラと光る少女が座っていた。
『人間は、愛してる、好き、を分けなくちゃいけないのね。そんなの特別でひとくくりにしちゃえばいいのに』
……何故少女が私の目の前にいるのだろうか、確か鍵は掛けたはずだ。
「君は一体何処の子だい?」
『あたしは妖精』
「私は……病にされたのか?」
『あたしは病気の妖精じゃないわよっ!!』
妖精と名乗った少女は私の頭を殴った。
『あたしは神様からアルフレッドを手助けするように遣わされただけなんだからね!!勘違いしないで』
「……きっと夢だろう」
落ち着きがない妖精の頭を抱き締めた。
『アルフレッドが優しすぎるのよ!!隙をみせるから、あのセドリックが付け上がるんでしょ、このお人好し!!』
「妖精ちゃん、大人しく眠りなさい。……私は朝早いのですから」
夢の中でまさか妖精に合うなんて、余程私は疲れているのだろう。
私は彼女を抱き締めたまま、眠りについた。
妖精ちゃんは妙に暖かい光を纏っていた。
まるで陽だまりのようだった。
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