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第19話 身を清めた夜

次の日から私は薬草畑に行くことが怖くなってしまった。 けれども薬草畑に行かないわけにもいかなくて、ミカエルの姿を見ないように、見付からないように早朝に行くことが日課になってしまっていた。 流石に学生は夜まで勉学に励むことがあるからか、早朝の畑仕事には顔を出せないのだろうと、安心して過ごす日々が増えたかと思ったその日、ミカエルが夕方教会に足を運んできた。 「神父様、俺の懺悔を聞いてください」 「聞くのは私のすることではなく、神です」 ミカエルは私の手を捕まえると、両手を合わせ折りたたんで祈りを捧げてきた。 「俺の神は神父様です。まさにエロスの神!!」 そう迫ってきた彼はそのまま私を押し倒してきた。 「冗談はやめてくださいっ、ミカエル」 「冗談?俺はいつでも本気ですよ神父様」 ミカエルは僕の手の甲に唇を押し当ててからこう言った。 「ここで犯されたくなかったら、明日僕の家に訪ねてきてください」 「私が貴方の家に訪ねることはないでしょう」 「そのときはまたこうして教会を訪ねます。神父様が愛する神の前で一緒に淫れましょう」 そう言い残すと彼は教会から去っていった。 「……懺悔らしいことは何もしてないじゃないか」 私のツッコミを笑い飛ばしてくれる妖精ちゃんは数日間一回も現れてなかった。 今考えると、私の妄想が妖精ちゃんを作り出したと言われたら信じれるくらいだった。 けれど流石に神の祭壇前で性交することは神父として許されないだろう。 私は腹をくくる決心をした。 せめて身を清めてその日は早めに就寝をした。

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