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第22話 気取り屋とフラれ屋
私が夕方教会の前を箒で掃除をしていると、セドリックとミカエルが走ってやってきた。
「フラれ屋ミカ坊、何度も言っているだろう!!アル……神父様は神聖なお方だ、お前には不釣り合いなんだよ」
「なんだとっ、気取り屋セドのクセに生意気なんだよ!!神父様の高貴さは俺にも痛いほど分かる、おととい来やがれ」
村長の息子と学校理事の息子はどうやら幼馴染らしい、元気よく教会の敷地内に入ってきた。
「神父様、今日は俺の家に来てくれることになってますよね!!さぁ、行きましょうか」
「誰が野獣の巣窟に行かせるかよ!!お前は取り巻き達と仲良くしてればいいだろう」
取り巻き達ということは、ミカエルはやはりプレイボーイなのだろう。
私は半歩ずれてからこう言った。
「ミカエル、私の愛を捧げるお方は神なのです。どうかご理解ください」
「フンッ……今日は大人しく帰りますけど、神父様また明日来ます!!」
ミカエルはそう言い残すと悔しそうに地面を踏み鳴らしながら去っていった。
「二人は幼馴染みだったんですね」
僕がそう言うとセドは笑っていた。
「俺はミカに初めてあったとき『結婚してくれ』って言われたんですけどね、フッたら『気取り屋』って言われるようになっちゃって……」
まあ、確かに五年前までのセドは女の子のように可愛かったからしょうがないとはいえ、ミカエルにとって今のセドは衝撃だろう。
「今は良い友達になれるといいですね」
「冗談やめてください!!」
セドはそう言うが、とてもいい関係の友達になれるのではないかと私は思った。
なんにせよ、私はミカエルとの行為を免れたのは良かったことだった。
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