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第23話 貴方から学びたい

だがしかし、状況はたいして変わっていなかった。 教会の中に入ると、セドリックが迫ってきたのだ。 「アルはミカともしたんですよね。俺は少しも優しく出来なかったから仕切り直しませんか?」 傷口を抉るようなことを平気で言うセドはもうあの優しくて儚げな彼とは違うのだろうか。 「何の為にセドは教会に来たのですか」 「アルに会うためです」 「ならばその目的は果たされたでしょう。学生は勉学に励むのが仕事です」 「村の学校は町の学校よりも勉強が劣ってるのか何もかもが簡単すぎて学ぶものがないですね」 ……確かにそれはそうなのだ。 村の学校の教科書を見ると、勉強が苦手だった私でも簡単に解けてしまうものだった。 だからミカエルのようなあんな乱れた生徒が出てきてしまうのかもしれない。 「ならばセドは私が学生時代使っていた問題集を貸してあげましょう」 「アルが教えてくれるのなら、俺頑張ります。貴方から是非学びたいです」 そうアルは嬉しそうに微笑んだ。 やる気になってくれたセドが嬉しくて、私は自室に向かい窓際の棚下の段の木箱の中身を探った。 すると僕の後ろからセドが抱きしめてきた。 「……止めなさい、セド」 「やっと二人きりになれたんですから止めるわけないでしょう」 私の耳元にセドは口付けをしてきた。 その手は私の身体を擦っていた。 「っいい加減止めなさい!!」 「アルは学習しないね。それとも俺に甘いのかな?」 セドの手は私の身体を這いながら乱していった。 確かに私はセドに甘いかもしれない、それは認めよう。 「だからってこんなことをするつもりは私にはない」 「そうでしょうか?俺はそう思わないです」 這う手は既に私の素肌に達していた。 胸を露わにされた部分が少し冷たかった。 「セド……」 「本当は期待してたんでしょう?」

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