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第27話 アルフレッドの過去
私は幼い頃から、ピアニストになりたくて日々勉強をしていた。
なぜ私がピアノをはじめたのか、それは町の楽器屋で一台のグランドピアノを見つけたのがきっかけだった。
ピアノは大きい楽器で、音階もいくつもある。
それを自在に弾けたら、自由に演奏できたら、音楽を制したようで気持ちがいいだろう、そう感じたのだ。
私の家はそこそこ裕福で音楽学校に通わせてもらうことも出来た。
けれど私はそこからが問題だった。
演奏家としての才能がなかったのだ。
悔しい、私は誰よりもピアノが好きなのに、誰よりも才能がない。
そんな苦悩した12歳の夜に家が家事にあった。
火元は父親のタバコの吸い殻だろうと思われた。
理由は出火元が両親の寝室だったからだ。
唯一の家族父と母が死に、僕は右肩の広くを大火傷の重症を負い、孤児となった。
それでも私はピアノの演奏家を諦めることができず、ふと立ち寄った教会で司祭様と出逢うことが出来た。
『神はその人に乗り越えられる試練を与えます。君の試練はその傷かな』
そして私はピアノを勉強しながらこの職業に天職として神に使えるようになった。
そして成人し、この村の教会を任されて数年、セドリックと出会った。
天使のような彼は天使の囀りのような澄んだピアノの演奏をしていて、私はその音色に惹かれていった。
その時に私は気付いたのだ、セドリックは音楽の神に愛されているのだと。
この子のためなら私は力になろうと思った。
けれど私の母校で演奏中鍵盤の蓋が閉まるという事故が起きた。
そのことを知ったとき、僕はなんと声を掛けていいのか分からなくなった。
それでも私はセドリックが好きなのは変わらなかった。
私は音楽に依存しつつ、セドリックにも依存していたのだ。
私は何のために生きていたのだろう。
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