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第34話 薬草洗い

今日も早朝薬草畑仕事をしてから部屋に戻った。 最近性的に受け身になっていたからか、とても身体が重怠く感じるようになった。 深く溜息を吐いてから、私は薬草を洗いに庭に出た。 今日も妖精ちゃんの気配は感じない。 それでも私のやるべきことはあるのだから、まず摘み取った薬草を丁寧に洗った。 「神父様おはようございます」 声をかけてきたのはミカエルだった。 「おはよう、ミカエル。私は今とても忙しいです」 「僕だって年がら年中発情してるわけじゃないので、今は安心してください」 要するに今はそういう行為はしないということだろう。 彼は薬草を籠から取り出すと、渡しと同様に洗い始めた。 どうやら手伝ってくれるらしい。 「ミカエル、ありがとうございます」 「……やめてください、神父様。僕は下心ありなんで」 それでも手伝ってくれることは有り難いことだった。 「神父様話しておきたいことがあって、今日は朝から来たんです」 「私に話したいこと?」 一体なんだろう。 「町の音楽の先生が臨時で来るんですすけど、セドが会うのを嫌がっているんです。あいつ学校休むかもしれないので、教会に来たら学校に登校するように伝えてください」 町からの音楽の先生、まさかダニエル教官だったりするのであれば僕もあまり会いたくないが、そう言ってはいられないだろう。 「分かりました、伝えておきます。……ミカエルのおかげで薬草が早く洗えました。お礼とは言えませんがお茶をご馳走します、休憩にしましょう」 そう言って私はミカエルを教会に招いた。

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