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第35話 問題集

ミカエルが学校へ登校していってから一時間経ったくらいに、今度はセドリックが訪ねてきた。 「やぁ、セドリック」 「アルフレッド、あの」 何か言いかけようとした彼に僕は直球で言った。 「学校はどうしたんですか」 すると彼はバツの悪そうな雰囲気で頬を掻いた。 「あー、学校には行きたくなくて……」 だからといっておいそれと教会にいさせてあげるわけにはいかない。 何か理由がなければ……。 「セド、これは僕がミドルスクールに通っていたときの問題集です。君が帰ったあと探しておきました」 「ここでやってもいいですか」 「何故学校に行きたくないのか、理由が言えたらここでやってもいいですよ」 学校に行きたくない理由は僕も薄々気付いている。 出来たら僕も学校と関わり合いたくない理由があるだろう。 「臨時教師にダニエル教官がこの村の学校に来ています。僕は教官に会いたくないし、出来たらアルにも会ってほしくないです」 そう言うとセドは僕から問題集を受け取り、デスクに向かった。 「問題集に貴方の文字が書かれてないです」 「ノートに書き写していたからね。これならば何回も問題集が使える」 「アルは昔も真面目だったんですね」 「当時私に打ち込めるものは打ち込む、それが私の蘇生術だったのかもしれません」 セドは微笑してから私に言った。 「今の貴方はそうやって出来たんですね。アルの一部が知れて僕は嬉しいです」 この美少年はわざとこんな破壊力のあるとこを私にしているのでは……!? 「わっ、わわわ私は駐在所に書類を届けてきますっ。……その間の留守番お願いします!!」 私は茶封筒を持って、駐在所に慌てて向かった。

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