12 / 45
第12話 口ん中は一緒だ
「え?」
突飛な言葉を理解できない男は、真ん丸な瞳で俺を見やる。
「俺の目的は、お前の身体なんだよ……欲求不満なの。突っ込めとは言わないから、しゃぶるくらい、いいだろ?」
掴んでいた男の手首を放し、ベルトに手をかけた。
「ちょ……、シャワーくらい浴びたいんだけどっ」
ベルトを外す俺を邪魔しながら、慌てたように紡がれる声。
「俺は気にしない。しゃぶる側が気にしてないんだから、浴びる必要ねぇだろ」
男の妨害など意に介さず、ベルトを外した。
開いた手で、男の股間を柔らかく握る。
むにゅりとした触感と、掌全体に広がる重量感。
勃たってもいないのに、この質量か。
顎、やられそうだな……。
思うのに、その感触にうっとりしてしまう。
身体中の毛穴が開くみたいに、ぞわぞわした感覚が腹で暴れる。
「お前も気持ち良くなれるんだから、両得ってやつだろ。モデル料払わなきゃって、…顔描いて悪かったって思ってんなら、黙ってしゃぶらせろよ。悪いようにはしねぇから……」
近距離で男を睨 め上げながら、ゆるゆるとジッパーを下げた。
―― ジジッ…ジ……
引っ掛かり下がるジッパーの音が、生々しく響く。
男は耳まで赤く染め、困惑に瞳を彷徨わせる。
俺の手首を掴む手が、抵抗を諦める。
手首を掴まれたままに、見える下着のゴムを引き下げた。
ボロンっと出てきたそれは、思った以上の大きさで、俺の背を痺れさせる。
顔を出したペニスに、鼻先を近づければ、蒸れた匂いが鼻腔を刺す。
「目ぇ瞑ってろ。口ん中は、男も女もかわんねぇから」
くたりと垂れ下がる亀頭に、舌先を宛がう。
滑 る温かい感触に、下を向いたままのペニスがぴくりと反応した。
ともだちにシェアしよう!