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第14話 淡い期待は、現実にならない
男のペニスを舐めながら、昔のコトに思いを馳せていた。
揶揄 うようにちろちろと舐めながら、竿を指先で、むにゅりと掴んだ。
むにむにと刺激を与え続ければ、中心に芯を持ち、俺の指を跳ね返し始める。
じわじわと張り詰める皮、膨らみ始める亀頭。
くぷっと溢れ始めるカウパーに、堪らず口の中へと誘 った。
扱くように軽く頭を上下する。
出入りする度に、高いカリが、唇に引っ掛かる。
あからさまに張り出る場所の奥、窪みにねっとりと舌を這わせた。
これで孔ん中…、奥をゴリゴリ擦られたら、堪んないだろうな……。
しゃぶってるうちに、その気になってくんねぇかな……。
瞬間的に淡い期待を抱いた。
でも、瞳を開けば目の前にあるのは、引き締まった男の身体。
マシュマロのように柔らかな感触もなく、勝手に濡れる孔もなく、…可愛らしくも、ない。
大きさと硬さと形…、擦られるコトを妄想した身体は、無意識に腰を燻らせていた。
「…………っ、……」
声にならない吐息の音が、耳を擽る。
音に誘われるように、咥えたままに瞳を上げる。
眉間に皺を寄せた色気のある我慢顔が、俺を見ていた。
目ぇ瞑ってろって言ったのに。
なんで見てんだよ……。
苦しそうに吐かれる熱い吐息に、腰が疼く。
腰の揺れが止められない。
自分でペニスを掴み、扱きたい。
でも、苦しげにしながらも俺を見やる瞳に、僅ながらの羞恥が躊躇 わせる。
「あとで、…妄想とか、すんの?」
はぁっと熱の籠る息を吐きながら、問われる言葉に、俺は眉根を寄せた。
「こんな、形だったとか、…あんな感触だったとか……。オレの形…思い出して、……慰めんの?」
すっと伸びた男の大きな手が、揺らぐ俺の尻に触れる。
指先が擽るように、俺の尻を撫でた。
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