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第15話 上っ面の同情なんて要らねぇんだよ
色気のねぇコト、言ってんじゃねぇよ……。
妄想で、…自分自身で、身体を慰めるしかない惨めなヤツ。
こいつの目には、そう映っている。
同情という名の嘲りが、降ってくる。
問い掛けは、嘲りを通り越した侮辱の言葉だ。
興が醒める。
デリカシーのないその言葉に、昂っていた身体に、冷水を浴びせられた気がした。
無意識のうちに揺らいでいた腰が、ぴたりと動きを止めた。
「そうだって言ったら? お前が慰めてくれんの?」
俺の口淫に、ビキビキと血管を浮き上がらせるペニスに横からしゃぶりつく。
横っ面をべろりと舐め上げながら、挑むように声を放った。
興奮を伝えるそのペニスも、俺の孔を見たら、萎えるんだろ?
そこは出口であって、性器じゃねぇもんな?
男の眉間の皺が、深さを増す。
何かを紡ごうと開きかけた唇が、閉じられる。
男なんて抱けねぇよな。
お前、ノンケっぽいもんな。
ただ、描きたかっただけなんだろ……。
男に興味なんてないクセに。
独りで虚しく自分を慰めるこのあとの俺に、勝手に同情してんじゃねぇよ。
……そんな上っ面の同情、要らねぇんだよ。
「無理すんな」
疲れたように呟いた俺の声は、呆れと諦めが入り交じる。
言葉なんて紡げないほどに、追い込んでやる。
俺は、再び男のペニスを口腔内へと誘い込む。
口から溢れる唾液を啜るコトもせずに、びくびくと震える肉棒に纏わせる。
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