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第16話 賢者タイムに沈む身体

 奥まで飲み込み、喉で甚振(いたぶ)る。  それでも、すべてを咥え込めない。  はみ出した竿は、手で扱き、玉を揉む。  息の詰まる苦しさに、刺激に嘔吐(えず)きそうになる反射に、涙が浮かび溢れた。  男の手が、顔にかかる俺の髪を掻き上げ、頭を撫でる。  露になる涙の痕を拭うように、指先が這う。  中途半端な優しい手つきが、俺の苛立ちを加速させる。  喉奥を突き上げるように、頭を振るう。  奥に入り込む度に、拒絶するように喉が締まり、男のペニスを締めつけた。 「………っ、ぁ、も……ゃ、ば…」  男の手が、俺の髪を掴む。  口の中に出すのは、申し訳ないから離したい。  だけど、この気持ちいい空間の中に、欲望を解き放したい。  両極端の感情に、男の手は押すことを引くこともしない。  始めから、口の中で出させる気はない。  ぐっと髪を握られる痛みに顔を歪めたまま、ペニスから唇を離した。  竿を2、3度、扱き上げれば、ひくひくと蠢く尿道口から白い粘液が、びゅるっと弾けた。  片手で受け止めきれるだろうと差し出した手に、ねっとりと絡みつく。  予想外の勢いを持った粘液は、薬指と小指の隙間を縫い、びしゃりと男のカーゴパンツを汚した。 「ぁ……、悪ぃ。溢した」  はぁはぁと天を仰ぐように肩で息をする男に、悪気なく抑揚のない謝りを紡ぐ。 「あー…」  濁った音を放ちながら、男の上体が、ぼふりとベッドに沈み、言葉が繋がる。 「…やまんなくて、よくない?」  両腕をクロスさせ、顔を覆っていた隙間から快感に揺らめいた瞳が俺を捉える。 「凄すぎて……、動けねぇ…」  ぼそっと声を放った男は、ベッドに沈んだまま動かない。  手の中の精液をティッシュで拭った。  曝したままの男の股間は、唾液とカウパーでどろどろに汚れながらも、萎れている。 「シャワー浴びてこいよ。気持ち悪いだろ」 「あー……、うん」  怠そうに声を返した男は、ゆったりと身体を起こし、前を寛げたままにバスルームへと足を向けた。

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