28 / 45
第28話 勝手にやめんな
「もうっ、……さっさと、挿れろよっ」
焦れったくなり放つ声に、男の指は、弄ぶように前立腺を掠める。
「ちゃんとしないと挿んないんだよ」
指が4本に増やされた。
「んんっ………」
揃えて挿れられた指が、中で広げられる。
「先っちょだけで、無理だって言われて、はい終了~、…なんて嫌だし」
広がった指で、角度をつけながら中を擦られれば、奥が疼く。
「気持ち良くさせてあげたいし…、ちょっと我慢して……、ね?」
身体を重ねたまま、空いている手で俺の頭を抱き、宥めるように髪にキスする。
いちいちキスすんなよっ。
巧みな手技に、息が上がる。
締めさせるように、わざとに前立腺を押し潰していたかと思えば、次の刺激を期待する身体に、あえて外したところを擦り上げる。
こんなにテクニシャンだなんて、聞いてねぇ……。
指だけで、イかされそうになり、堪えるのに必死だった。
俺のアナルが弛み、自由に動けるようになった指先で、柔らかさを確認する男。
「もう、いいかな……」
じゅぷんっと濡れた音と共に指を抜かれたそこは、開かれ過ぎて閉じ切れない。
「ひんっ……、」
ぐっしょりと濡れた奥を目掛け、ふうっと息を吹き掛けられ、ぞわっと鳥肌を立てた。
上体を起こした男は、俺の腰に片手をつき撓らせ、コンドームを被せたペニスを宛がった。
「挿れるよ……」
ぐぐっとかけられる圧力に、深く息を吐き、それを受け入れる。
滑るそこは、ぐぷんっと一気に亀頭を飲み込む。
一度、飲み込んでしまった高いかり首は、窄まる縁に引っ掛かる。
これ以上ないほどに開かれる孔に、内腿が痙攣する。
マジか……。デカ過ぎんだろ…。
1ミリたりとも、アナルを締められる感じがしない。
ずずっ…ずっ…と、腰を押し進めながら、男が口を開く。
「苦しく、ない?」
苦しいに、決まってんだろ…。
デカ過ぎんだよ……。
「は…、はぁ………」
問い掛けに反応せずに、荒く息を吐きながら、その大きさに慣れるのを只管 に待つ。
「ぁー……、抜く?」
びくん、びくん、と震える俺の腰を指先で撫でながら、残念そうに紡がれる声。
「だい、じょぶ、だ……」
切れ切れにか細く放つ言葉に、んーと唸るような音が響く。
「まだ、先っちょなんだけど……。苦しそうだし…」
引き抜こうとする男に、俺は腰に触れている手を掴む。
「馴染む……まで。ちょ…、まって……」
話す度に、腹に振動が響く。
俺の中で、無意識にびくびくと蠢くペニスが、熱を伝える。
ともだちにシェアしよう!