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大和-17
「…俺の独り言だと思って聞いてくれ…」
俺も、副会長と同じ空を見上げた。
「新太が具合悪いって部活休んだ日…。みんなで見舞いに行こうって話になったんだが、五人で押しかけたりしたら悪いから、代表で誰か一人が行こうってことになって。ところがみんな新太が心配なもんだから、誰が行くかで揉めて」
ああ、そうだ。ジャンケンで副会長が勝って、食堂からすりおろしたリンゴをもらって来てくれたんだ。
「実は、ジャンケンで決めていないんだ」
思わず“えっ?”と聞き直してしまいそうだった。これは副会長の独り言。だから俺は、黙って聞いている。
「“頼む、俺に行かせてくれ”って頼んだんだ」
どういうことだろう…。副会長の方をチラッと見ると、灯篭型の照明に照らされた顔が赤かった。少しのぼせたのかな。
「“新太が好きなんだ、見舞いに行かせてくれ”って、あとの四人に土下座したんだ」
ええっ?!
好きなんだ、って…。土下座したって…。
「聖が“みんなの弟くんをよろしく頼みますよ”と見送ってくれたんだ。外で四人とも待っていたのは本当だけどな」
どうしよう…。また俺の聞き間違いかな…。副会長の顔が見られない…。
「――って、いきなり言われても迷惑か?」
「えっ! いえ、全然っ! 俺の方こそ迷惑かなって…ずっと、思ってて」
湯煙がもうしばらくの間、俺の顔を隠してくれればよかったのに。そしたら――嬉しくて泣いてるなんて、そんな情けない顔を副会長に見られなかったのに。
「新太…」
「は、はいっ」
泣き顔を見られたくないから、濡れた手で一生懸命顔を擦る。けど、両手首をつかまれてしまった。真正面には、真剣な表情の魁副会長。
「好きだ、新太。もうお前のこと、弟だとは思えない」
もう隠せない。一度引っ張り出された思いは、どんどんあふれてくる。
「俺も…副会長のこと…好きです…。でも…副会長に“好き”って言っても迷惑かなって、ずっと苦しかったんです」
「大和って呼んでくれないか」
「大和さ…んっ」
最後まで言い切らないうちに、唇が重なった。初めてのキスってどこでするんだろうか、なんて妄想したことがある。誰もいない教室とか、公園とか、デートで行った観覧車の中とか。でも、実際は露天風呂だった。なんという大胆なことを体験したのだろう!
すぐに顔が離れたけど、大和さんの顔をまともに見られない。
また唇が重なる。今度はさっきより長く。
つかまれていた手首が離された。でもすぐに指同士を絡められる。大和さんとはこれから、二人っきりになるたびにこうして手を繋いだり、キスをしたりするのかな。だとしたら、誰もいない世界に行ってみたいような気がする。
三度目のキスで舌が入ってきた。柔らかい舌は、俺の舌に絡みついて離れない。絡まった指といっしょで。凄くいやらしいことをしてる気がして、すぐに下半身が反応した。
大和さんの体が密着する。背中に腕が回り、強く抱きしめられた。…大和さんも…凄く硬くなってる…。
「新太」
耳たぶを甘噛みされ、低くささやく声が聞こえてきた。
「…あっちの洗い場に行くか?」
「はい…」
洗い場でこの続きをするんだろうか。大和さんに手を引かれ、洗い場に移動した。
「あっ…、やだ…」
総ヒノキ造りの洗い場で、壁に体を押しつけられた。大和さんが俺の乳首に吸いつく。硬くなった乳首を舌で転がされた。
「やっ…、大和さ…、だめ、そこはっ…」
片方の乳首も指でつままれて、違う刺激を両方の胸に受けて、それだけで腰が砕けそうだ。
「はうっ…!」
硬く上を向いているペニスを握られた。そのままゆっくりと手は上下する。自分以外の人にそんな所を擦られているなんて…。それだけでも恥ずかしいのに、大和さんは俺のペニスを口に含んだ。
「あっ…大和さん…だめっ」
ジュッと音を立てて吸い上げられ、めまいがしそうだ。大好きな大和さんにフェラチオされてるなんて、俺は夢を見てるんだろうか、何度もそんな気になった。
さっきから、俺ばっかり気持ちよくなってる。このままだと、俺だけがイキそうだ。大和さんにも気持ちよくなってほしくて、俺は大和さんに頼んでみた。
「大和さん…お願い…、俺も…大和さんの…、口で…してみた…い」
ジュポッ、という音とともに、俺のペニスは解放された。
「いい…のか…?」
「はい…」
今度は逆の体勢で、壁に沿って立った大和さんの前に、俺がひざまずく。…デカッ! 大和さん、勃つとめちゃくちゃデカい!長さもあるし。背が高い人は、ここも長いのかな? それとも体を鍛えているから、ここも育ったのかな? それは関係ないか。
口に含んでみた。亀頭は弾力があって、少しヌルヌルしてて。サオには血管が浮き出ている。全部飲みこむのは無理だ。途中までしか入らない。それでもゆっくり、歯が当たらないように気をつけて、顔を上下させた。
「あ…新太…、気持ち…い…い」
時々口をすぼめて吸うと、大和さんは口の中でビクンと跳ねる。大丈夫かな、ちゃんと感じてくれるかな、なんて心配したけど舌でくびれを押してあげると、また跳ねた。下手くそな技だと思うけど、大和さんはちゃんと感じてくれている。
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