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ジルベール-18

 ジル先輩の方が背が高いから――というか脚が長いから、俺の先端がジル先輩の竿を擦るような感じだ。  ジル先輩が二本まとめて握り、上下に強く擦った。 「あっ…あ…ジル先輩っ…」 「愛してるよ、アラタ」  俺は泡だらけの手で、袋の辺りを撫でた。途端にジル先輩から声が漏れる。 「んっ…気持ちいいよ…アラタ」  ジル先輩が俺の体を裏返し、壁に手をつかせた。尻の間に硬いモノが滑りこむ。てっきり挿入されるのかと思ったけど、尻の間を行き来するだけだった。 「後で…挿れさせて。素股も気持ちいいけど、やっぱりアラタの中で感じたい…」  ジル先輩のお願い事なら聞いてあげたいけど、挿入はやっぱり怖い。どう返事していいかわからず、もう喘ぎ声しか出ない。ジル先輩と、お風呂でいやらしいことをしている。そんなシチュエーションが俺を興奮させる。それに、タマの裏側にジル先輩の先端が当たって、気持ちいい。 「あっ…! 出るっ」  ジル先輩が何度か腰を打ちつけた。太腿の内側に、熱いものが流れる。俺の体で、ジル先輩が気持ちよくなってくれた。それだけで嬉しい。  シャワーで泡と精液を流す。その間も、ジル先輩は俺のペニスを優しく愛撫してくれる。 「アラタ、湯船の縁に腰かけて」  言われた通りに、ヒノキの湯船の縁に腰かけた。俺の前にジル先輩がひざまずき、勃起したままのペニスを口にくわえた。 「ひゃっ?!」  まさか口でされるとは思わず、体がのけぞりそうになった。のけぞってたら、まだ湯を張っていない湯船の中に落ちて、たんこぶできてたかな…。  深く強く吸われ、巧みな舌に翻弄され、先端を甘噛みされた。その先端の弾力を楽しむみたいに、ジル先輩の赤い舌が這う。少し顔を離すと、糸が引いていた。俺、かなりガマン汁が出ているのかも。 「も…もう…」 「ん? 出そう?」  これ以上されたら、口の中に出してしまいそう。それに、親衛隊ができるほどの学園のアイドルで王子様なジル先輩に、フェラチオさせているなんて申し訳ない。 「あ、はい…、出そうだから…後は手でいいです」 「じゃ、口の中でイッて」  と、再びジル先輩がペニスを口にくわえた。激しく顔が上下する。 「やっ…! 駄目…離して…!」  吸引力の凄い唇は離れてくれずに、俺は我慢できずにジル先輩の口内に出してしまった。  ゴクン。  ジル先輩の喉が動いた。まさか…。 「あ、飲んじゃった」  と、白い指でバラ色の唇を拭う。その仕草が艶めかしくてキレイで、いつまでもみとれてしまいそうだ。 「ご、ごめんなさい…」  それだけ言うのが、精一杯だった。  そして、シャワーを浴びて風呂を出た。  夕食は、お刺身の盛り合わせと天ぷら。それに京野菜の漬け物とお吸い物、という純和風だった。 「明日は太秦の映画村に行こうか。時代劇の撮影をやってることがあるから、見てて楽しいよ」  なんてジル先輩は普通に話すけど、お風呂でエッチなことをしてすぐ後なだけに、なんとなく気恥ずかしい。 「明日の昼ぐらいに両親が帰ってくるんだって。だから、夕飯はいっしょだよ。兄さんはアメリカにいるから、残念だけど会えないんだ」  十日から、ジル先輩は家族全員でフランスに行くそうだ。お兄さんは仕事でアメリカにいるから、向こうから直接フランスに向かうそうだ。 「ジル先輩、久しぶりにご両親に会うのに、俺がいて邪魔じゃないですか?」  ごぼうのかき揚げを食べていたジル先輩は、驚いたように目を見開いた。 「とんでもない! 電話でアラタのことを話したら、凄く喜んでくれたんだ。ぜひ会いたいってさ」  外国にいくつも支社を持つ大会社のセレブなご夫婦と、俺は何を話せばいいんだろうか…。そんな心配をしながら、マグロの刺身を食べる。  夕食後、ジル先輩がパソコンで映画村の画像を見せてくれた。  時代劇に出てきそうな街並みや堀、捕物帳とかっていうドラマの親分が座ってそうな――ジル先輩の話によると、火鉢らしい。 「こういう撮影所を見た後に、テレビで時代劇を見ると面白いんだ」  写真を撮るのが好きなジル先輩は、高画質なデジカメを持って、あちこち写真を撮るらしい。京都の風景をたくさん見せてもらった。  平安神宮や舞妓さんが歩く祗園、葵祭に祗園祭、五山の送り火。 「カメラで写真撮ってると、外国からの観光客に間違われるよ。地元民なのにね」  両親が生まれたフランスも大好きだけど、生まれ育った日本も大好きだと言う。 「明日、楽しみですね。ジル先輩にいっぱい写真撮ってもらおうっと」  そして、明日は朝早いから、早めに休もうってことになったけど、布団に入った途端、ジル先輩に覆いかぶされた。 「アラタ、エッチしよっ」 「えっ…?」  なんとストレートで無邪気な誘い方。天使の笑みで、そんなことを言われるなんて…。 「セックスは初めてだよね? 僕もなんだけど」  またまた天使らしからぬ言葉を口にした。 「あ…あの…俺…やり方わかんなくて…」 「いいよ、アラタは横になったまんまで」  と、キスされた。最初はついばむように。その後、舌が入ってきた。なめらかな舌の動きは、俺の理性を吹き飛ばしてしまう。キスさえも今日が初めてなんだけど、ジル先輩の首筋に腕を回して、夢中で唇をむさぼった。ジル先輩と同じように舌を動かし、吸いつく。

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