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イブ-15
イブ先輩の膝に座ったまま長いディープキスを受けながら、イブ先輩の手は俺の耳元をくすぐる。
「んうっ…」
逃げようとしても、もっと深く舌が入りこみ、うなじを手のひらで固定される。時々息継ぎみたいに唇が離れるけど、“愛してる”とささやいてはまた、舌が深く入る。
うなじを押さえていた手が首筋をすべり、一番上のボタンにかかる。スルリとボタンは外され、人差し指が少し汗ばんだ肌を撫でる。二番目のボタンが外された。熱い手のひらが肌を伝い、硬くなった乳首を探り当てた。
「あっ…ふ…」
探し物を見つけたイタズラな指は、執拗にそこばかりをこねる。
「ねえ、最高においしいSweetsを味見したいんだけど、いいかな?」
唇同士が触れる距離で小さく低く、そんなおねだりをされた。最高においしいSweets――それって、俺のこと?
「お…おいしくないかも…しれませんよ」
二本の指が、硬い乳首をつまんだ。
「あっ…ん…っ」
「僕がおいしく料理してあげるから、きっととろけるような甘さだよ」
赤い舌が、首筋を舐めた。汗でしょっぱいんじゃないかと思うけど…。いつの間にか全てのボタンを外され、シャツはもぎ取られた。ベルトに手がかかったとき、恥ずかしさにイブ先輩の手を押さえてしまった。
「あ、あの…、恥ずかしいから駄目ですっ」
「やめちゃっていいの? こんなになってるのに」
股間のふくらみを、ギュッと握られた。
「やっ…!」
「窮屈そうだね」
いきなりそんな所を触られて驚いていた間に、下着だけにされた。
「ベッドに行こうか」
ヒョイッと抱き上げられ、ダブルベッドに寝かされた。下着まではぎ取られ、明るい証明の下に、素っ裸がさらされる。イブ先輩はまだ、アクセサリーすら外していないのに。
「電気…消してください…恥ずかしい…」
イブ先輩が、俺の上に覆いかぶさる。ネックレスの冷たいチェーンが、俺の胸元にハラリと落ちた。
「シュガーのこと、もっと見ていたいのに?」
「み、見られたら恥ずかしいですっ」
琥珀の瞳が近づいてきた。
「じゃあ、消してあげる。その代わり、目じゃなくてほかの方法で楽しませて?」
「はい…」
何も考えず、返事をしてしまった。イブ先輩の瞳は魔法だ。吸いこまれそうだ。以前この瞳に見つめられて、“魔法をかけてあげる”とキスをされた。今度は何されるのかな。撫でまわされるのかな。
イブ先輩は手を伸ばし、サイドテーブルのスイッチで照明を消した。もう、カーテンの外は暗くなり始めている。枕元のライトをつけると、ダイヤルを回して明かるさを調整した。ほんのり明るく、お互いの顔や体のシルエットがわかる程度だ。
「ひゃっ?!」
素早く体を滑らせたイブ先輩は、俺のペニスを口に含んだ。
「やっ…! やだ、イブせんぱ…ぁ」
薄暗闇の中で、いやらしい音が響く。強く吸われて、長い舌で舐め回されて、下の袋までいじられて。抵抗しようにも、力が入らない。気持ちいい、でも恥ずかしくて逃げたい。
「や…、あっ…」
口でされるのって、こんなに気持ちいいんだ…。気が遠くなりそうで、必死にシーツをつかむ。手のひらに、シーツ越しに爪が食いこむ。そうでもしていないと、頭が変になりそうだ。
「新太がちゃんと見せてくれないから、手と口で新太の形を覚えないとね」
そんな意地悪を言われても、低くささやく声は甘くて頭の中がとろけそうだ。
もう俺は、まともな返事ができない。イブ先輩のされるがままに、ペニスをビクつかせるぐらいしかできなくなっていた。
もうすぐイキそうなんじゃないか――そんな感じがしたとき、イブ先輩の口が俺のペニスから離れた。薄闇の中で、イブ先輩の指が見えた。中指だ。唇を割って、口内に入ってきた。
「舐めて」
言われるままに、イブ先輩の中指を舐めた。細長く、肌のキメが細かく、爪もきれいに切られて磨かれて艶がある。薄暗い中でも輝いているのがわかる爪。骨張っていなければ、女性の指みたいだ。
イブ先輩が俺のペニスにしてくれたみたいな、俺も指を吸ってみた。こんな感じで吸ってくれたっけ、と強く吸う。イブ先輩の指に、こんないやらしいことをしてるなんて――
そう考えただけで、勃起しっぱなしのペニスの先端から先走りが垂れて落ちた。
スッと指が抜かれる。
「新太、力抜いててね」
両膝を持ち上げられ、尻が少し上を向く。
「あうっ!」
尻の間を割った濡れた指は、穴の周りを撫で始めた。柔らかく押しては穴を少し広げ、ゆっくりとした動きで、俺の恥ずかしい所をまさぐる。
「新太のここ、狭そうだから、ちゃんと慣らしてあげるね」
「な…慣らすって…、あふっ」
こんな所に、イブ先輩の指が…!
変な違和感が指を拒み、思わず尻に力を入れてしまった。
「力抜いて」
「くっ…、でも…」
どうしても体が強張ってしまう。緊張を解こうとしても、脚が震える。身動きできなくなった指が、ゆっくりと引き抜かれた。
ぐいっと尻を押し広げられ、指の代わりに今度は舌をあてがわれた。ヌメッとした感触が、穴の周りに広がる。
「や、やだっ、イブせんぱ…い…! そんな…とこ…汚い…から…ぁ」
ピチャッと濡れた音が、何度もいやらしく響く。こんな所を舐められて、気持ちいいなんて…。やめてほしいような、やめてほしくないような。
「汚くなんてないよ」
真正面に、イブ先輩の顔があった。
「これから僕と何度でも一つになる君に、汚い所なんて無いよ」
イブ先輩が、俺の上から覆いかぶさる形で、俺の手を取る。
「握って…」
握らされたのは、イブ先輩の勃起したペニス。俺より少し太めで長さもあるけど、同じ形。当たり前だけど、有名人で美形なイブ先輩でもこうして勃起するんだなー…なんてぼんやり考えてた。
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