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第5話
目が覚める前の夢と現実の狭間の時間がとても好きだ。
まどろみながら温かな布団の感触を味わうのも、この寒い時期の楽しみ。
(なんか今日は一段と布団がもふもふ……)
まるで毛皮の様な感触は最高で、ぎゅうっと抱き締めて顔を擦り寄せると、自然に頬が緩む。
ああ、本当に幸せ。
(でも、こんな布団あったっけ……? まあいっか)
寝ぼけている時なんて、こんなものだろう。
再び抱き締めているものに顔を埋めていると、頭を撫でられる感触に目を開く。
「おはよう、健次郎」
背後から声が聞こえるのと同時に顎を取られ、唇を軽く重ねられる。
「っ! う、笛吹っ!?」
「ずいぶんと俺の尻尾を気に入っているようだな」
「へ?」
布団かと思って抱き締めていたものは、どうやら笛吹の大きな尻尾だったらしい。
「べっ、別に好きじゃない!」
慌てて手を離すと、身体を離そうとする。
「おっと、その格好では寒いぞ」
手が伸びてきて、裸の胸に抱きこまれる。
「ちょっ……なんで裸なんだよ!」
「そう言うお前も裸なことに気付いてないのか?」
「えっ? うわあああっ」
視線をさげて、自分も裸だということにようやく気付いたけれど、抱きこまれてしまっていて逃げる事も出来ない。
「健次郎は寝起きが悪いのだな」
「いや、いつもはそんな事ないんだけど……」
早起きが日課だったし、わりと寝起きはいい筈だったのに。寝ぼけるなんて自分でもちょっとショックだ。
「昨日の疲れが残ってるのだろう。少しゆっくりするといい」
「ん……」
優しく頭を撫でられ、つい頷きそうになって慌てて顔をあげる。
「って、違う! 俺が寝ぼけたのも、疲れてんのも全部お前のせいだ……痛っ!」
身体を離そうと背を反り返った瞬間、腰にピキっと疼痛が走って顔をしかめる。
「大丈夫か?」
心配そうに腰を撫でられ、昨日の恥ずかしい出来事が頭に一気に戻ってくる。
「触んな、エロ狐っ!」
拒んだのに、笛吹は全く気にせず健次郎の身体を抱き締める。
「馬鹿! 離せって!」
「せっかく手に入れたのだから、今日くらいは幸せに浸ってもいいだろう。それに、お前のその暴言は嫌だからじゃなくて、恥ずかしいからだというのは昨日で良く分かったしな」
「……っ!」
図星をさされ、一気に顔が赤く染まる。
確かに気持ち良すぎて意識が飛んだことは認める。けれど、それは呑まされた酒のせいであって、笛吹の全部を受け入れた訳ではない。
(でも、こんなに嬉しそうな顔見せられると、言いにくいよなあ……)
耳を平行にして、愛しそうに頬をすり寄せてくる仕草も憎めない。自分よりも大きな男をちょっと可愛いと思ってしまう。
しばらく笛吹の好きにさせておこうと、小さく溜息をついてから、ようやく周りを見る余裕ができる。
「……なあ、そういえばここってどこなの?」
部屋の造りを見る限り、ちょっと豪華な欄間があるのを覗けば、典型的な日本家屋とあまり変わりがない様に見える。
「ここは俺と健次郎の家だ」
「は? でも、本殿から出てないような気がするんだけど……」
あの時、笛吹は自分を抱きあげて外でなく奥へと向かった気がする。
「出ていないぞ。ここは本殿の中だしな」
「本殿の中……? そんな奥行きないと思うんだけど」
「当然だ。現世ではないからな」
「はあっ!?」
笛吹の言葉に嫌な予感がして健次郎は布団を跳ねると、その辺にあった着物を引っ掛けて立ち上がり、部屋の襖を勢いよく開ける。
「……なんだ、この長い廊下」
先が見えない廊下に唖然としていると、隣に笛吹がやってくる。
「右に歩けば現世、左は天と繋がっている。途中にいくつか襖があるが、その辺の説明はおいおいで。ただし、俺の説明を聞く前に勝手に襖を開けない方がいい」
「何で?」
「部屋によっては、俺と一緒でないと現世に帰れなくなる」
「そんな物騒な場所に連れてくるなよ!」
好奇心で襖を開けたくなる心理が働いたら、どうしてくれるんだ。
「仕方ないだろう。神使が住む場所はここだと、決まっているのだから」
「決まり決まりって……うんざりだ!」
笛吹の住処だからと言って、健次郎が一緒に住む理由もない。
廊下へと足を踏み出すと、右側へと歩き始める。
「あっ、おい健次郎! 何処に行くのだ?」
「家に帰る!」
「お前の家は今日からここだと言ってるだろうが」
あっと言う間に追いついてきた笛吹に腕を掴まれる。
「俺、お前と違って神使じゃないし、ここに住む意味ないだろ!」
「まだ分かってないのか、健次郎」
心なしか憐れみが浮かぶ目で笛吹は健次郎を見る。
「何をだよ」
「俺と身体を繋げた時点で、お前はもう人ではないのだぞ」
「は……? そ、それって、俺にもその耳とか尻尾が生えてくるってわけ?」
「いや、それはないが。欲しいなら生やしてやろうか?」
「いいっ、いらないっ!」
大きく頭を左右に振ると、笛吹は可愛いと思うぞと笑う。
「でも……人じゃないって、どの辺が?」
自分で見る限り、どこも変わっていない。
「歳を取らなくなるところだな。今は別に家族と暮らしてもいいが、そのうち周囲の人間から奇異の目で見られるだろう。その時、この屋敷が必要になる」
笛吹の語る事が本当ならば、そうなるだろう。
「だったら、そうなった時にここに住めばいいとして、それまでは家でもいいじゃん」
こんな閉鎖された空間で、笛吹に睦言を聞かされていたら身が持たない。
「駄目だ。少なくとも子供が出来るまでは、外には帰さない」
「こっ、子供? 男の俺が産めるわけ……」
そこまで言って、笛吹の余裕そうな顔を見て言葉を止める。
人ではないのなら、人としての常識はなくなるのではないだろうかと思ったのだ。
「気付いたか、多分お前が予想している通りだ。次の御先稲荷は神にも必須だからな、嫁いできたものが女だろうと男だろうと、子は出来る」
「そんな……」
自然の摂理まで替えてくるとは、さすが神様と言うべきなんだろうか。
「――と言っても、お互いの気持ちが通じなければ、子は出来ないのは人と一緒だけれどな。まあ、俺と健次郎の間なら、すぐに出来るだろうが」
「出来るわけないだろ! 俺は絶対子供なんて産まないっ!」
大きな勘違いをして健次郎を抱きこんでこようとする笛吹の身体を思いっきり突っぱねると、不意打ちをつかれたのか笛吹の身体が後ろへと倒れる。
(チャンス!)
ここから出るなら今しかない。
痛む腰を気にしながら、可能な限り早い速度で廊下を走った。
――外に出れば、笛吹から逃げられる。
「甘かったよなあ……俺も」
竹ぼうきの先端に顎を置きながら、ぼんやりと本殿を見上げてため息をつく。
あの後、つきあたりにあった襖を開けると見覚えのある部屋へと出た。
厨子を開ければその先はきっと外だ。
開けた瞬間に追ってきた笛吹に捕まり、なだれ込むように出た先でまた笛吹と言い合いをしていたところに父親が現れた。
家に帰りたい健次郎と、帰したくない笛吹。その二人の言い分を聞いていた父親が、ポロっと何気なく呟いた言葉。
『だったら、二人でうちに住めばいいじゃないか』
そんなの絶対にうまくいくわけがないと思っていたのに、父親はともかく母親と兄があっさりと笛吹に馴染んでしまった。
二週間過ぎた今では、なんだか自分の方が仲間はずれな気分を味わっている。
「はぁ……どうすればいいんだろうな」
さすがに実家の自分の狭い部屋で笛吹と一緒に寝るわけにはいかないので、夜だけは渋々と本殿の奥へと寝に行くのだけれど、毎日のように求められて身体から陥落されそうな現状も、健次郎としては気に入らない。
(だって、すっげえ気持ちいいんだもん)
健次郎だって年頃の男なのでやっぱり気持ちいい事は好きだし、もっとしたいと望んでしまう。
あれが痛いんだったら暴れて殴って逃げるのに、キスを受け入れたら最後で笛吹に心も身体もどろどろに溶かされる。
次の日の朝、ものすごく落ち込むのに夜になると期待してしまう気持ちが日に日に強くなっている。
このままでは、本当に笛吹の言うとおり、子供が出来かねない。
(それだけは絶対に阻止したい!)
抱き合うまでは百歩譲って良しとしても、そこまで許したら男としての何かが崩れる気がする。
でも、実際問題、今の状況は確実に笛吹の敷いたレールを確実に歩いているのだと思う。
「なんか突破口があればいーんだけどなあ……」
本気で他の神様にでも頼みに言ってみようか。
今の健次郎なら、他の神社の神も見えるかもしれない。
頼めなくても、相談くらいはできたらいい。
(笛吹は……仕事中、だよな?)
本殿の方からは祝詞が聞こえ、父親と一緒に笛吹は仕事中のはずだ。本当なら宮司も世代交代したので健次郎がやらなくてはいけないのだけれど、表向きはまだ父親が宮司となっているので、こうして健次郎は雑用係のままだ。
これから少しずつ父親に習っていく事になるので、こういったひとりの時間もなくなっていくだろう。
本殿の方に視線を向けると、タイミングよく厨子が開いて笛吹が現れる。
「げっ!」
「健次郎! ちょうど良いところに居た! ちょっとこっちに来てくれ」
「な、何だよ……」
嬉しそうに手招きをされたものの、考えていたことが後ろめたすぎて笛吹の顔をまともに見れない。
「これをお前に渡しておこうかと思ってな」
「ん?」
手を取られたと思ったら、手首に革製のチョーカーのようなものを付けられた。
「何これ?」
小さな花のようなデザインのチャームがついていて、良く見ようと目線まで手をあげると、一瞬だけチリンと微かに鈴の音が聞こえた。どうやらチャームではなく、鈴らしい。
「守りだ。俺が留守にする間、この鈴がお前を守ってくれるだろう」
「笛吹、どっか出かけるの?」
改めて姿を見てみると、いつもの狩衣よりも派手めなものを着ていることに気づいた。
「ああ、ちょっと呼ばれてな。心配するな、夜には戻ってくる」
「べ、別に心配とかしてないし!」
「安心しろ。お前が呼べば、どこに居ても駆けつけてやる」
「またそういう恥ずか……っ」
最後まで言い終わらないうちに、唇を奪われる。
「……っ、は」
挨拶のキスと言うには長くて深いキスに、ぼうっとなりかけたのを見計らうように、唇が離れる。
濡れている唇を親指の腹でぬぐわれ、満足気に口角をあげた。
「ではな、良い子で留守番しているのだぞ」
おまけのように頭まで撫でられ、子ども扱いされたことに対して軽く睨みつける。
「さっさと行け、ばかっ!」
悪態をついても笛吹はご機嫌らしく、笑いながら再び厨子の中へと消えて行った。
「はぁ……疲れた」
けれど笛吹が出かけたという事は、夜までは一人という事だ。
これは他の神社に行く絶好のチャンス。
「……よし」
思い立ったら実行すべき。
手にしていた竹ぼうきを戻すと、財布をジーンズのポケットへと入れ、神社を後にする。
「んー……どこに行くかな」
こういう時、稲荷系の神社に行くべきなんだろうか。
(でも、この近辺で稲荷神社ってうちしかないんだよな)
健次郎が知らないだけで、もしかしたらあるのかもしれない。
「ま、散歩がてら探すか」
久しぶりに神社の外に出たこともあり、軽くのびをしながら道を歩いていると、クラクションの音が聞こえた。
「やっぱ健ちゃんだ。久しぶりー、祭以来?」
軽トラの運転席から顔を出したのは勝だった。
「どっか行くなら乗せてくよ」
「ありがと! そうだ、勝に聞きたいことがあるんだけど」
この近辺を配達している勝なら、うち以外の稲荷神社があれば知っているはずだ。
聞いてみると勝はハンドルを握りながら記憶をたどってくれているのか、頭を左右に揺らす。
「百代神社以外の稲荷ねぇ……フツーの神社とか寺ならいくつか知ってるけど」
「やっぱそうか……」
肩を落としていると、勝が急にあっと大きな声をあげる。
「そういや、あの線路向こうにでっかい神社あるじゃん!」
「ん? でも、あそこは普通の神社だけど」
「そこの末社にさ、確か狐の置物あった気がするんだよね」
「本当?」
「その置物がちょっと変わっててさ、黒かったから珍しいなーって思ったから、たぶん間違いないよ」
「黒……?」
「そう、あれなんていう石だっけ、ツルツルしてるやつ。それで造ってあってさあ」
「ふーん……」
勝の言う石は御影石の黒っぽい種類のものだろう。確かに黒い狛狐というのは珍しい。
その後は期待に胸を膨らませながら、たわいない話をしているうちに目的地にたどり着く。
「まずはお参り……と」
さすがに末社である稲荷の社に真っ直ぐ行くわけにもいかないので、自分のうちの神社の二倍はありそうな参道を歩いて本殿に先に参る。
(さすがデカイ神社。本殿も豪華だな)
うちとは雲泥の差だなと、ちょっと悲しくなりながら今度は末社のある方へと向かう。
さすがに末社まで参る人は少ないのか、周りには誰もいない。
大きな銀杏の木の下に赤い鳥居が見え、その奥に小さな稲荷の社が見えた。
「あ、本当に黒い」
社の前にある狛狐は、勝の言うとおり黒いものだった。
立ち止まって物珍しさに眺めていると、どこかからか声が聞こえた。
「おい、お前!」
「え?」
辺りを見回してみたけれど、人の姿はない。
「何処を見ているんだ、上だ、上!」
怒った声が聞こえて銀杏の木を見上げたけれど、逆光で人がいると分かるくらいでハッキリしない。
「……誰?」
眩しすぎて目を細くしているので、相手から見ればものすごく凶悪な顔見上げているはずだ。そんな状態で声をかけたのが木の上にいる相手は気に入らなかったらしい。
「このオレ様を知らない……だと?」
「うわっ、すごい風……っ」
突風が吹き、健次郎はとっさに目を瞑る。それと同時にドサッと大きな音がして再び目を開けると、足元にうつ伏せに倒れている人が居た。
(黒い大きな尻尾……って事は、ここの狛狐?)
着ている服も黒色だけれど笛吹と同じ狩衣なので、十中八九間違いないだろう。
「あのー……大丈夫?」
かなり派手に落ちた音がしたので、いくら狛狐でも痛かったと思う。
なかなか起き上がらない相手に声をかけると、飛び跳ねるように顔を上げた。
(あ、結構可愛い)
そう思ったのは、女の子が羨むくらい長い睫と、狐というよりは猫の目に近いような、勝気っぽい少し大きめの目のせいかもしれない。
左の先が少しだけかけている大きな耳に、漆黒の長い髪を赤い紐で下の方を止めている髪形は、とても中性的に見える。
「君、女の子……?」
「貴様の目は腐ってるのか?」
ものすごい迫力で睨まれてしまい、思わずごめんと謝る。
「ふんっ、オレ様はお前のような下等な位のものが気軽に話せる相手ではないのだぞ!」
「は、はあ……」
自分よりも低めの身長のせいか、口調が高圧的でも怖さは全くと言っていい程感じない。
けれども、笛吹の上をいく高飛車っぷりな態度に、世の狛狐はどんな神社でも同じなのかと唖然としていると、健次郎が黙ってしまったことに対して何か勘違いをしたらしい。
「この玄冬様に会って、声も出ないか。ははっ、オレ様のオーラはさすがだな!」
玄冬と名乗った狐は、自信たっぷりに大きな声で笑う。
(なんかもう、楽しそうだからいいかなー……)
言動からして幼い子が威張っているようにしか見えなくて、つい生暖かい気持ちでみつめてしまった。
「あの、玄冬はこの社の神使なの?」
「……どうしてそんな事を聞く」
「笛吹と似てるなって思って」
「ハッ? オレ様をあんな性格の悪い狐と一緒にするな! 今はこんな末社の預かりをしているが、オレはそのうち日本一の神使になるくらいの実力を持つ黒狐だぞ!」
「ご、ごめん……」
笛吹をかなり良く知っているようだけれど、プライドを刺激してしまったらしい。
「フンッ、忌々しい匂いがすると思っていたが……やっぱりお前、笛吹のつがいか。あの傲慢狐の嫁なんて、よくなったな」
「俺は嫁になった覚えはない!」
健次郎の反論に、玄冬はニヤリと笑う。
「なんだお前、笛吹に不満があるのか」
「あるある、大ありだよ!」
「お前とは話が合いそうだな」
「とても!」
思わぬところで意気投合してしまい相談しようと思っていたのに、逆に玄冬の愚痴を聞くことになってしまった。
「そもそもオレ様の方が優秀なはずなのに、アイツは昔から要領良く稲荷神の点数稼ぎをしやがって! それに文句を言えば、冷めた目で見てくるし!」
玄冬はかなり笛吹への不満が溜まっていたのか、その後も色々とエピソードを聞かされるたびに、笛吹の玄冬への扱いに気の毒になってしまった。
「……と、オレ様ばかり喋ってしまったな。こんな末社に来るほどだ。お前も何か話したい事があったのだろう?」
「あ、うん……」
話始めようと口を開けると、玄冬からストップがかかる。
「その前に、腹減らないか?」
「え?」
玄冬は懐から可愛い桃の形のまんじゅうを出し、それを半分に割ると、健次郎の方へと差し出す。
「滅多に食えない極上の菓子だぞ。有難く思え」
「あ、ありがとう」
生意気だけど、お菓子をくれたり優しいところがあるらしい。ちょうど小腹も空いていたので一口かじると、絶妙の甘さの餡子がまるで泡のように口の中で優しく溶けていった。
「わ、すごい美味しい!」
「だろう? なにせ天界でしか食べれない菓子だからな」
「へえ……」
だから、こんな幸せなふわふわした気持ちになるんだろうか。
とろんと瞼が落ちてきて、不思議と笑みが漏れる。
「……そういえば、お前の名前を聞いていなかったな」
近くにいるはずなのに、質問してくる玄冬の声が聞き取りにくい。
「俺の名前は、健、次郎……って」
答える自分の声も、とても遠くて。
(どうしてだろう、すごく、眠い……)
テレビを消した時のように、そこでプツンと視界が真っ暗になった。
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