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第30話
「……と。……遥人」
自分が出す声で、眼が覚めた。
起きた時に、唇が動き最後の発音をした事を寝ぼけ眼で自覚した。
明らかに、夢につられて寝言を喋っていた自分に、気が付いた。
そのままぼんやりと、天井の模様を眺めていた。
片腕を挙げ、ぱたんと隣に落としてみてもそこには誰もいなかった。
隣に、遥人が眠っているはずもなかった。
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