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小ネタ ミツバチと昼休みのおしゃべり ※非エロです

 生まれ変わったら何になりたい、なんて話題は誰しもがしたことあると思う。  別に生まれ変わりを信じてなくても、子供が「将来何屋さんになるか」を語るのと同じ、ただの空想遊びだ。 「生まれ変わったらなぁ、……もっと金持ちの家に生まれたいなぁ」  なんて夢もあれば、 「俺は動物でいいわ。気ままに森とかで暮らしてえ」  なんて可愛い夢もある。  俺は皆の空想を微笑ましい思いで聞きながら、今日のデザートであるミルクプリンを食べていた。 「蜜羽は何になりたいんだ?」 「俺? 俺は……そうだなぁ」 「ちょっと待て。蜜羽は蜜羽のままでいい。このままじゃないと蜜羽の意味がねえ」  遮られて仕方なく、スプーンですくったプリンを口に入れる。 「俺は蜜羽の兄貴に生まれ変わりたいかも」 「俺、兄貴いないよ?」 「だから、これまで訳あって離れて暮らしてた兄貴、とかさ。そんで毎日毎晩お楽しみってこと」 「ふざけんなっ、お前、独り占めのルール破る気か?」 「家族は例外だ、当然だろ」 「てめえ!」 「け、喧嘩しないで……」  別の生徒が焼きそばパンを頬張りながら、笑って言った。 「そんじゃ俺は、蜜羽のパンツになりてえな」 「うわ、ド変態がいる」 「それもただのパンツじゃねえぞ。俺の前世の記憶と意識が残ってるから、勝手に蜜羽のケツに顔埋めたりチンコ弄ったりできんの。最高じゃねえか?」 「都合良過ぎだよそれは……」  更に別の生徒が、イチゴ牛乳のパックについたストローを啜りながら俺を見て、言った。 「じゃあ俺はコンドームになって、蜜羽のケツの奥の奥までズコズコしてやりてえけど」 「バーカ! ズコズコすんのはお前じゃねえ、そのゴムを使ってる知らねえ男だ!」 「マジでこいつアホ。知らねえ男のチンポに被せられるくらいなら死んだ方がましだね」 「生きてるゴムっていうのは、ちょっと面白いなぁ……」  俺は皆の夢を聞きながら、少しだけ想像してみた。  もしも生まれ変わったら……大好きな犬や猫になるっていうのも魅力的だけど、それよりももう少し現実的なところでいうと……  今度は女性の人生を歩んでみたいな、とぼんやり思う。  女になりたい願望がある訳じゃないけれど、同じ人間で性別が違うっていうのはどんな感じなのか知りたい。  おしゃれして、可愛い服を着て、髪型に凝って、誰かと恋に落ちる……考えると楽しそうだ。  ……それに、男よりも女性の方が、アレの時に気持ち良いっていうのも聞いたことがあるし。 「はぁーぁ。ま、どんだけここで喋ってても俺らは金持ちにはなれねえし、蜜羽のパンツにも、ゴムにすらなれねえんだよなぁ……」 「でも皆、パンツやゴムよりエロいこと充分してるじゃん……」  呟くと、皆が揃って「それとは違うの!」と言った。  何が違うのかさっぱりだ。 「あ、いいこと考えた。俺は生まれ変わったら空気になる。そしたら蜜羽にまとわりつけるし、頑張れば何でもできそうじゃん?」 「空気とか悲しいこと言うなよ、お前……」 「せめて形あるものにしろよ」  そろそろ昼休みも終了だ。食事のプレートを片付けようとして立ち上がると、皆が俺に顔を向けて言った。 「そんで、結局蜜羽は何になりたいんだっけ?」 「あ、俺も言っていいの?」 「ああ、もし叶えられそうなら、叶えてやれるかもしれねえし」 「ネコちゃんプレイならコスプレもアリだしな~」  皆、本当にいい奴だ。  ニコニコ笑って、俺の答えを待ってくれている。 「そうだな、俺は生まれ変わったら女の子に……」 「それだけは」 「絶っ対に!」 「駄目――ッ!!!」  小ネタ・終

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