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第12話 ミツバチと大親友のふたり
多感な時期を四六時中一緒に過ごしていると、赤の他人でも何だか似てくるとか言うけれど。
俺とカケルの場合は幼稚園からの幼馴染でも、趣味やタイプは全然似ていない。
身長とか、体つきとか、頭の悪さは似ているけれど。
食べ物の好みや、読む漫画、好きな服なんかは全くバラバラだ。
唯一共通している点は蜜羽が好きということ、それから頭の中が蜜羽とのエロいことでいっぱいということ。
それだけだ。
放課後、第二自習室。
「……ん、……」
「おい、カケル。蜜羽を独り占めするなって。ルールだろ」
「この場合は独り占めじゃないっての」
「………」
カケルはよく蜜羽とのキスを独り占めする。こいつは酔っ払っていなくてもキス好きのキス魔で、俺もよくその被害を受けていた一人だった。
蜜羽の唇を啄んで舌を絡めるのを目の前で見せつけられると、色々な意味で嫉妬してしまう。それは俺が蜜羽のこともカケルのことも同じくらい好きだからだろうか?
「カケルとばっかキスすんなよ、蜜羽ー」
「ん、……? じゃあ、タイチもキスして」
カケルの舌技で既にデキあがっている蜜羽の顔。そのとろけた顔で見つめられれば、何を言われたって断れない。
「んん」
蜜羽が俺にしがみつき唇を塞ぐ。俺も蜜羽の柔らかい体を強く抱きしめ、夢中でその舌を味わった。
薄目を開けて見れば、カケルがニヤニヤと舌なめずりしている。俺とこいつが全く似ていない要素の一つ――それは俺の方が「こういうこと」に慣れていないということだ。
「タイチがキスしてる間に、俺は一歩先を進むぞ」
そう言ってカケルが蜜羽のベルトを後ろから外して行く。ボタンが外され、ファスナーが降ろされ、ストンと制服のズボンが落ちて行く。
「可愛いパンツ穿いてんなぁ」
星柄のボクサーパンツに覆われた蜜羽の尻を撫でながら、カケルがその場にしゃがみ込んだ。
「ん、……あ」
俺と舌を絡める蜜羽が小さく声をあげる。カケルが蜜羽の尻と股間を撫で回しているせいだ。
「蜜羽、……」
そうして蜜羽が感じ始めてしまったせいで、俺もやむなくキスを中断しなければならなくなってしまった。蜜羽の腕を俺の肩に回してしがみつかせ、一つずつシャツのボタンを外して行く。
「あ、ぁ……カケル、顔ふるふるすんな、って……」
「パンツ越しに柔らけえの、めっちゃ好き」
蜜羽の股間に顔を押し付けるカケル。3Pって、何となくタチ同士の勝負になるから気が抜けない。
「蜜羽は乳首吸われなきゃ満足しねえもんな?」
俺はシャツを脱がした蜜羽の肌に口付け、少し身を屈めてその乳首を口に含んだ。
「あっ、……す、好き……タイチ、乳首……気持ちいい」
「俺も蜜羽の乳首、超好き」
「あん、ン……」
可愛く勃った蜜羽の乳首を舐め回していると、カケルが蜜羽のパンツの前開き部分を指で広げて笑った。
「じゃ、俺は蜜羽のちんちん舐めちゃおっと」
「カケルお前、いっつも先にイイとこ取るよな。少しは『待て』を覚えろよ」
「タイチがもたついてっからだ。俺は好きなモン食うの我慢しない派なの」
何をどう食べるかはともかく、ベッドがない場所での3Pは体勢的にも少し気を遣う。俺は机に座って後ろから蜜羽を抱きかかえ、こちらを振り返った蜜羽と舌を絡め合いながら同時に乳首を愛撫した。
「あ、ん……、んぅ……」
「……いいな、ちょっと特等席気分」
カケルは椅子に座り、目の前の机の上で脚を開いている蜜羽の股間に顔を埋めたまま、また「ふるふる」と顔をパンツに押し付けている。
「あー、堪んねえ可愛い。蜜羽の半勃ちプリちんこ、出てきた」
「やっ……カケル、それ何か、恥ずかしいっ……! や、……」
ボクサーパンツの前開き部分からペニスだけを出させて、カケルが満足げに舌なめずりをしている。
「カケル。……お前ってさぁ、何か変態的だよな」
「は? 何でよ? 俺は着エロが好きなだけだ」
「それは分かるけどよ。前開きから出させたり、横からずらして出させたり、そういうのが好きっていうのはよく分からん」
「蜜羽が恥ずかしがるからさ。可愛いじゃん」
そう言って、カケルが蜜羽のペニスの先端にキスをした。
カケルは相手が恥ずかしがるのを見るのが好きなタイプの奴だった。その気持ちは俺もよく分かるけど、コイツのやり方は何というか……さっきも言ったけど、本当に変態的なのだ。
「蜜羽、昨日ちゃんと風呂入ったか? ちんちん洗った?」
「あ、洗った……、やぁっ……ん!」
「ふーん、ちゃんと剥いて皮の中も洗ったか? エッチな味するけど?」
「や、やだ……カケル、それ、やだっ……!」
蜜羽を包んでいる可愛い皮の中に舌を入れ、ぴちゃぴちゃと音を立てて舐めているカケル。俺は蜜羽の乳首を愛撫するのも忘れ、思わずその光景に見入ってしまった。
「俺が綺麗にお掃除してやる。すっきりするぞ」
「あ、あ……そこ舐めないで、……」
「ここが終わったら、次はこっちの穴か。さっきした小便の残りも綺麗に舐め取ってやるからな」
「あうぅ……」
コイツに変態語を話させたら右に出る者はいないんじゃないかってくらい、蜜羽の顔はもう爆発しそうなほどに真っ赤だ。
「俺がちんちんの掃除してる間に、蜜羽。ほら、タイチが寂しがってるからチューしてあげて」
「ん……」
「タイチがチューしながらチンコ扱いて欲しいって」
「そ、そんなこと言ってねえ!」
「なに遠慮してんだ? 触り合いすんのが3Pの醍醐味だろ」
蜜羽が俺の唇を啄みながら、伸ばした手で俺のファスナーを下げる。
「……俺もタイチのちんちん触りたい」
そんなことを囁かれたらもう強がってなんかいられない。俺は急いでベルトを弛め、ファスナーの中でずらしたパンツから自身のそれを抜き出した。……情けないほどガチガチだ。
「んん、あ……ぁ、……タイチの、熱い。……カケルの舌も、気持ちいいっ……」
「お、俺も気持ちいい。……蜜羽、すっげえ最高」
「蜜羽のちんちんもだいぶ硬くなってきたな」
静かな第二学習室には三人分の荒い息使いが響いていた。
「そろそろ俺も良くしてもらおうかな」
立ち上がったカケルが自分のズボンをずらして屹立したそれを出し、軽く扱いて蜜羽に見せた。
「お、お尻に……」
「いや、今日はタイチが先に挿れてくれるって。俺のは口でしてよ、蜜羽」
「あー……、3Pの時のこの体勢、すっげえ好き」
簡単に言えば床に四つん這いになった蜜羽を後ろから俺が貫き、カケルが前でフェラチオをしてもらうという図だ。もちろん、蜜羽の膝が痛くならないように床には俺達の脱いだ制服が敷いてある。
「誰も来ないとはいえ、……教室で全裸ってのは、……すげえスリルだな」
「んんっ、んぅ、う……んや、っ……!」
何度も蜜羽をバックで犯しながら、俺は口元に流れてきた汗を舌で舐め取った。
「蜜羽、突かれながらしゃぶるの上手。俺のチンポ美味しい?」
「んぅ、おいし……、タイチの、……あっ、タイチのちんこも、気持ちいい……」
「そうだろ。何たってコイツは俺の親友だからな」
カケルが笑って、自身のそれをしゃぶる蜜羽の頭を撫でた。
「蜜羽も、タイチも、俺にとって大事な存在だ。……だからさ、こうして三人で最高の時間を共有するのって、すげえ嬉しいんだよ」
「あぁっ、あ……ん……」
「………」
腰を振りながら、俺はカケルの言葉に苦笑する。
「愛してるよ蜜羽」
「ん、あ……」
「――タイチも」
カケルが俺の肩に手を置き、ゆっくりと引き寄せてきた。
「ん……」
蜜羽を挟んでカケルとキスをする俺。……何だかなぁ。やっぱりコイツは人を恥ずかしくさせる天才だ。
「カケルとタイチが仲良しなのは知ってるけど、そんなに仲良くて二人はよく恋に落ちなかったね」
「そりゃ、俺もカケルもタチだしなぁ……」
「タチでも俺はタイチのこと好きだけど? え、タイチは俺のこと好きじゃなかったのかよ?」
「……蜜羽と出会ってなければ、話は変わってたかもな」
床に敷いていたシャツの埃を払い、素肌の上から羽織る。
「『話は変わってたかもな……』……だって! タイチってば、カッコいい~」
「あはは! 確かにカッコ良かったね、今のは」
「お、お前らな……!」
俺とカケルは幼稚園からの幼馴染だ。
恥ずかしがる相手を見るのが大好きなカケルと、そんなカケルに常日頃からからかわれている俺。
ちっとも似ていない俺達だけど、
「男同士の友情っていいよね」
俺はそんなコイツとの関係を気に入っていた。
第十二話・終
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