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第7話

 ほどなくして女がやってきた。  香水の匂いが、やたらきつい。  パジャマでベッドにごろ寝している佐野に、女は肩をすくめた。 「せっかく遊びに来たのに、どうしたのよ」 「風邪ひいちまってよ」  佐野の言葉に、女は手を額に当てた。 「ホント。熱っぽい」 「だろ?」  女は、鼻から抜けるような声で笑った。 「あっためてあげよっか? 人肌で♪」 「いいねぇ」  女は、音楽に合わせて服を脱いでいく。  こういうノリは、悪くない。  裸の女を抱き寄せ、キスをした。  口紅の味に、吐き気がする。  やばい。  頭がガンガンしてきた。  だが、女を抱けば治るだろう、程度の考えで佐野はキスを続けた。  音楽のせいで、ドアが開いた事に気づかなかった。  人が、こちらへ来た事に気づかなかった。

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