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第14話
「ごめんなさい、素直じゃなくて」
「じゃあ、これまで俺を吹っ飛ばしてたのは、本気じゃなかったんだ?」
確かに、窓を破って5階から落ちて、その足で黒崎の部屋まで歩いて行けるのは妙だとは感じていた。
手加減はしてくれていた、と言う事か。
「ホントは、甘えたかったんだな~? この胸に飛び込んで、ぽかぽか叩いてやりたかったってか?」
真っ赤になってしまった泉の肩を抱くと、佐野はその頬に手のひらを当てた。
触れ合うほど近くに唇を近づけ、甘い響きで囁いた。
「無理すんな。俺も嘘ついたりしねえ。約束する」
「功……」
唇が、重なる……。
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